視野角と画質を改善した空中タッチディスプレイがエレベーターホールで採用:組み込み採用事例
凸版印刷は、視野角と画質を改善した「空中タッチディスプレイ改良モデル」を発表した。上下方向の視野角を倍増し、明るい環境下の映像や精細な映像の視認性を上げて、快適な非接触操作を提供する。
凸版印刷は2021年9月15日、非接触で操作可能な「空中タッチディスプレイ」の視野角と画質を改善し、「空中タッチディスプレイ改良モデル」として発表した。2022年8月竣工予定の複合施設「東京ミッドタウン八重洲」のオフィスフロア各階のエレベーターホールに設置される予定だ。
空中タッチディスプレイは、同社が2020年10月に開発し、有用性の検証を進めてきた。改良モデルでは、左右方向の視野角は従来モデルと同じ各15度だが、上下方向を各30度に倍増した。これにより、身長の高い人から低い人まで幅広い層が空中映像を視認しやすくなる。
独自の光学設計技術により、映像の解像感と明瞭度を改善したことで、明るい環境下の映像や精細な映像の視認性が向上している。さらに、光の利用効率を改善し、消費電力を従来比約50%に抑えた。発熱量も低減するため、放熱経路の確保といった設計上の制約が緩和され、設備デザインに高い自由度を提供する。
液晶パネルタイプは7インチ高輝度高コントラストTFTディスプレイ、表示解像度は800×RGB×480(WVGA)だ。サンプル機の外形寸法は285×285×60mm、重量は約1.9kgとしている。
東京ミッドタウン八重洲では、オフィスフロアの全エレベーターホールに空中タッチディスプレイを搭載した操作コンソールを設置することで、物理的に上下ボタンや行き先階ボタンを押す必要をなくし、ポストコロナ時代に安心して出社できるオフィス環境を提供する。
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