省エネ性能と安全性が向上した高圧、特別高圧配電用アモルファス変圧器:FAニュース
日立産機システムは、高圧配電用変圧器「SuperアモルファスZero P」シリーズと、特別高圧配電用変圧器「特高Superアモルファス奏」を発表した。Pシリーズは損失電力量を大幅に低減し、奏はカーボンニュートラルの絶縁油を採用している。
日立産機システムは2021年9月10日、省エネルギー性能が向上した高圧配電用アモルファス変圧器「SuperアモルファスZero P」シリーズと、特別高圧配電用アモルファス変圧器「特高Superアモルファス奏(かなで)」を発売した。
アモルファス合金を鉄心に採用したアモルファス変圧器は、効率に優れ、夜間など待機時でも省エネルギー性能を発揮する。Zero Pシリーズは最適化された高効率設計により、損失電力量を大幅に低減することで、2013年度のエネルギー消費効率基準値と比較して二酸化炭素排出量を46%削減した。
奏は、無負荷損を低減することで、従来機と比べて損失電力量を46%削減。絶縁油には、温室効果ガス削減や環境に配慮して生産された大豆から精製したエステル油を採用する。
同製品のエステル油は高い生分解性を有し、災害などで油が漏れた場合も、土壌や河川、海を汚染するリスクが少ない。原料の大豆は光合成の際に二酸化炭素を吸収することから、カーボンニュートラル社会に貢献する。また、引火点が320℃以上と鉱物油に比べて高く、世界水準の火災予防規格であるFM規格の認証を取得しているため、一般的な変圧器の絶縁油のように危険物には該当せず、指定可燃物として扱える。
Zero Pシリーズの相数は三相、一次電圧はF6750-R6600-F6450-F6300-6150、二次電圧は210(50、60Hz)、420〜242(50Hz)、440〜254(60Hz)。奏の相数は三相、一次電圧はF23000-R22000-F21000-F20000、二次電圧は6600(50、60Hz)となっている。
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