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実験をCAEに置き換える、ホンダが外装部品の性能検討にリアルタイム解析を活用Ansys INNOVATION CONFERENCE 2021(3/3 ページ)

「Ansys INNOVATION CONFERENCE 2021」の事例講演において、「Ansys Discovery Liveを活用した外装部品の開発事例」をテーマに、ホンダ 四輪事業本部 ものづくりセンター 完成車開発統括部 車両開発二部の下田雄太郎氏らが登壇。自動車外装部品の性能検討における業務負荷の軽減を目的とした「Ansys Discovery Live」の活用事例を紹介した。

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コリレーション確認とその結果(2):ドアミラーの振動

コリレーション確認(2):ドアミラーの振動
コリレーション確認(2):ドアミラーの振動 ※出典:ホンダ [クリックで拡大]

 続いて実施したのが、ドアミラーの振動に関するコリレーション確認だ。

 走行時、ドアミラーが振動することで、鏡像の視認性の低下を招くことがある。その振動の要因の1つとなるのが、走行風により生じる圧力変動だ。「視認性の優れたドアミラーを提供するためには、このドアミラーの形状最適化による圧力変動の低減が必要となる」(同社)。そこで、Ansys Discovery Liveでドアミラー振動の要因となる圧力変動を捉えられるかをコリレーション確認の判断材料とした。

 まず、コリレーション確認の第1ステップとして、ドアミラー表面の圧力分布について、実験値とAnsys Discovery Liveによる解析値とを比較することにした。検証では、ドアミラー全周に圧力測定孔を設置。具体的には、ドアミラーのハウジング側に19点、鏡面側に5点、合計24点の測定孔を設け、それぞれの測定ポイントにおける表面圧力を比較した。その結果、実験値とAnsys Discovery Liveによる解析値とで「おおむね一致が見られた」(同社)。

実験値とAnsys Discovery Liveによる解析値とでおおむね一致が見られた
実験値とAnsys Discovery Liveによる解析値とでおおむね一致が見られた ※出典:ホンダ [クリックで拡大]

 続く、コリレーション確認の第2ステップでは、ドアミラー表面の圧力変動幅と、圧力変動周波数の比較を行った(鏡面部を対象)。その結果、圧力変動幅については実験値とAnsys Discovery Liveによる解析値で結果がおおむね一致。さらに、圧力の変動周波数でも、実験値と解析値でピーク周波数に一致が見られたという。

圧力変動幅、変動周波数ともに、実験値とAnsys Discovery Liveによる解析値で結果がおおむね一致した
圧力変動幅、変動周波数ともに、実験値とAnsys Discovery Liveによる解析値で結果がおおむね一致した ※出典:ホンダ [クリックで拡大]


 以上のコリレーション確認の結果から、同社はAnsys Discovery Liveを活用することで、性能検討業務の負荷軽減が可能であると判断した。

コリレーション確認の結果と業務負荷削減のイメージ
コリレーション確認の結果と業務負荷削減のイメージ ※出典:ホンダ [クリックで拡大]
講演の最後、今後の展望と課題についても触れた
講演の最後、今後の展望と課題についても触れた ※出典:ホンダ [クリックで拡大]

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