ニュース
過去に凍結したAIのPoC案件の再生支援サービスを試験導入:人工知能ニュース
エイシングは、企業が過去に凍結したPoC案件の再生支援サービス「Re-PoC」の試験導入を開始する。同社独自のエッジAIアルゴリズムを用いるもので、過大なモデルサイズや推論速度不足などで頓挫したPoC案件の再生を支援する。
エイシングは2021年8月31日、企業が過去に凍結したPoC案件の再生支援サービス「Re-PoC(リポック)」の試験導入を開始すると発表した。
同サービスでは、同社独自のエッジAI(人工知能)アルゴリズム「MST」を用いて、過去に凍結したPoC案件の再生を支援する。
例えば、AIのモデルサイズが大きくなり、ハードウェアに実装する際に頓挫したケースでは、PoCの要件やデータを再活用しつつ、MSTにより同社の独自AIへと変更することで、実装可能なモデルサイズを構築する。また、推論速度が不足していた場合は、制御周期が短い同社のAIを利用することで対応可能にする。
同社では、「Re-PoC」の提供開始にあたり、モニター企業を募集している。過去のPoC案件で上記のような課題に直面したことのある企業は、同年9月1日〜10月29日の期間中に同社に問い合わせることで、審査を経て上限5社まで同サービスを無料で利用できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- エッジAIの可能性を広げる「MST」、なぜCortex-M0+マイコンでも動くのか
エッジAIスタートアップのエイシングは、マイコンを使って、AIによる推論実行だけでなく学習も行えるアルゴリズム「MST」を開発した。ローエンドの「Cortex-M0+」を搭載するマイコンでも動作するMSTだが、より多くのメモリ容量が求められるランダムフォレストと同等の精度が得られるという。開発の背景を同社 社長の出澤純一氏に聞いた。 - ラズパイゼロで推論も学習もできる組み込みAI「DBT」、“AIチップ”で開発容易に
AIベンチャーのエイシングが、組み込み機器などのプロセッサでAIの推論実行だけでなく学習も行える独自技術「DBT」について説明。このDBTによるアプリケーション開発を容易に行えるAIモジュール「AiiR(エアー)チップ」を開発したと発表した。 - 超軽量メモリで実装可能な異常検知アルゴリズムの提供開始
エイシングは、KBオーダーのメモリ量で実装可能な超軽量異常検知アルゴリズム「MSAT」の顧客企業への提供を開始した。工場の製造装置や生産ラインへの異常検知導入を支援し、生産性とメンテナンス効率の向上に貢献する。 - マイコンで動作するエッジAIの導入期間を短縮する小型モジュールの提供を開始
エイシングは、エッジAIアルゴリズム「AiiR」シリーズを導入するまでの検証期間を短縮する、小型モジュール「AiiR-M1」の提供を開始した。Cortex-M4アーキテクチャを採用し、小型ながらAI動作に必要な性能を満たしている。 - AIモデルを統合し、エッジAIの学習効率を向上させる統合学習技術を開発
エイシングは、エッジ側で学習した複数のAIモデルを統合して集合知モデルを生成できる「統合学習技術」を開発した。複数機器で個別に学習、生成した異なるAIモデルを1つの集合知モデルとして統合し、学習プロセスにかかる時間を短縮している。 - ランダムフォレストで自動追加学習を可能にしたエッジAI向けアルゴリズムを開発
エイシングは、機械学習アルゴリズムの1つである「ランダムフォレスト」で自動追加学習を可能にしたエッジAI向けアルゴリズム「SARF」を開発した。パラメーターチューニングが少ないため、初期学習モデルが迅速に構築でき、運用上の変化にも柔軟に対応できる。