国内製造業向けプラントO&Mサービス市場規模、2021年度は1兆257億円の見込み:製造マネジメントニュース
矢野経済研究所は、国内製造業向けプラントO&Mサービス市場に関する調査結果を発表した。2021年度の同市場規模は、好調な半導体分野と前年度中に延期となった案件の進展により、前年度比100.8%の1兆257億円になると推計する。
矢野経済研究所は2021年8月24日、国内製造業向けプラントO&M(Operation&Maintenance)サービス市場に関する調査結果を発表した。2021年度の同市場規模は1兆257億円になると推計している。
同調査では、前年度に当たる2020年度の市場規模(事業者売上高ベース)を、2019年度比99.7%の1兆176億円と推計。半導体分野でオペレーションやメンテナンスのニーズが増加しているものの、新型コロナウイルス感染症の影響による景気鈍化などで、設備投資計画の見直しや設備合理化の動きがあったことから微減となった。
2021年度は、半導体分野の市場が好調を維持する他、前年度中に延期となった案件が進展することが予測される。このため、前年度比100.8%の1兆257億円を見込む。
今後、化学や半導体、医薬品、薬品分野など設備更新や生産能力増強の動きが見られる分野で、O&Mサービスの需要拡大が予想される。これにより市場全体は、2022年度が1兆288億円、2023年度が1兆319億円と微増傾向で推移する見通しだ。
同市場における注目トピックスとしては、IoT(モノのインターネット)などの新技術を活用したプラント操業や保全サービスの進展を挙げる。例えば、「データによる分析・予測」に対応する商品やサービスの開発が進んでいるという。また、サブスクリプション方式を採用することで、新技術導入時のコスト負担を軽減しようという動きも出ているとしている。
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