I/O密度2倍、消費電力4分の1で動作する車載アプリケーション向けFPGA:組み込み開発ニュース
Lattice Semiconductorは、車載アプリケーション向けFPGA「Lattice Certus-NX FPGA」を発表した。AEC-Q100認証を取得し、小型ながら高いI/O密度と優れた電力効率を誇る。
Lattice Semiconductorは2021年8月25日、車載アプリケーション向けFPGA「Lattice Certus-NX FPGA」を発表した。既に、一部の顧客に向けてサンプル出荷を開始している。
Lattice Certus-NX FPGAは、28nm FD-SOI技術の「Lattice Nexus」プラットフォームをベースにしている。6×6mmの小型パッケージで、競合FPGAと比較して最大2倍のI/O密度を誇り、最大4分の1の消費電力で動作する。また、SPIメモリから最大12倍高速でデバイスコンフィギュレーションを実施する。I/Oの起動時間は3ミリ秒、チップ全体の起動は8〜14ミリ秒としている。
差動I/Oの速度は1.5Gbpsで、5GbpsのPCIe、1.25GbpsのSGMII、1066MbpsのDDR3にも対応。AEC-Q100認証を取得済みで、ソフトエラーレート(SER)を競合比で最大100分の1に抑えた。ECDSAによるビットストリーム認証と、AES-256による暗号化をサポートする。
「Lattice Radiant」「Lattice Propel」ソフトウェア、「Lattice mVision」「Lattice sensAI」ソリューションスタックにも対応し、車載システム設計の簡素化と迅速化に貢献する。モーター制御、車載インフォテインメントシステムのLED制御、車載ネットワーキング、先進運転支援システム(ADAS)アプリケーションのセンサーデータコプロセッシングなどに適している。
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