製造支援モバイルロボットを効率的に運用する5Gネットワークを構築:FAニュース
牧野フライス製作所は、同社で開発した製造支援モバイルロボット「iAssist」を安定的、効率的に運用するため、事業所内5Gネットワークを構築する。構築にはKDDI 5GとAWS Wavelengthを利用する。
牧野フライス製作所は2021年7月21日、同社で開発した製造支援モバイルロボット「iAssist」を安定的かつ効率的に運用するため、事業所内5Gネットワークを構築すると発表した。
5Gネットワークの構築には、KDDIが提供する5Gサービス(KDDI 5G)とAmazon Web Servicesが提供するAWS Wavelengthを利用する。これにより、iAssistに求められる超低遅延アプリケーションを実現していく。また、5Gに必要な設備を自社で用意する「ローカル5G」に比べ、高いコストパフォーマンスを達成できる。5Gネットワークは、同年12月の完成を予定している。
同年12月からAWS Wavelength上にiAssistの運用環境を構築し、ソリューションを3つ開発する。各ソリューションは、通信キャリアが提供する5Gサービスとクラウドサービスを組み合わせた仕組みの活用により、安価で提供できる。
開発するソリューションは、マシニングセンタの連続稼働を可能にするiAssistによる「工具搬送自動化」、ユニット自動組み立てロボットへの部品入庫、完成品払い出しをiAssistで自動化した「ユニット組立自動化システム」、iAssistの稼働状況を5G対応のiPhoneでモニターする「iAssist運用管理システム」となる。
同年7月現在、ローカル5GではiPhoneをはじめスマートフォンが接続できないが、KDDI 5Gは複数の5G対応スマートフォンが利用できるため、ローカル5Gに対して有利となる。
iPhoneは、iAssist運用管理だけでなく、現在工場内で使われているPHSの後継として電話で使用。5Gは構築当初、4Gの基地局を制御用に、5Gの基地局をデータ送受用に使うNSA(Non Stand Alone)方式となる。4G基地局は、5Gの制御だけでなくVoLTEによる高品質な電話に活用する。5Gは2022年にSA(Stand Alone)サービスが始まるといわれているが、4G基地局はSAになっても電話で継続利用する。また、5G基地局はSAでも同じ設備を使用する。
同社は、自社内での5GネットワークによるiAssistの運用実績を積み、ユーザーのiAssistの運用に適用する計画をしている。
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