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バラバラの発想をまとめてテーマを補強する「デザインスゴロク」技術者のための資料作成とプレゼン講座(2)(3/3 ページ)

どんなに素晴らしい内容の発表でも、それが読み手や聞き手にうまく伝わらなければ意味がない。本連載では、技術者の皆さんを対象に、相手に伝わる発表内容の構成や資料の表現方法などについて伝授する。第2回は、バラバラの発想をまとめてテーマを補強する効果的なアプローチ「デザインスゴロク」を取り上げる。

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「デザインスゴロク」の伝え方

 それでは、今回の締めくくりとして、筆者がプレゼンで使っているデザインスゴロクを基に、実際に文章でプレゼンしてみます。

 テーマは、次のようなものを設定してみました。

デジタルエンジニアリングの実現に向けてシミュレーションの有効性と必要性を説く

 図2を見ながら、以下の説明を読んでみてください。

デザインスゴロクの記入イメージ(シミュレーションとデジタルエンジニアリング)
図2 デザインスゴロクの記入イメージ(シミュレーションとデジタルエンジニアリング) [クリックで拡大]

スタート!

 それでは、デジタルエンジニアリングの実現に向けて、シミュレーション、仮想化の効用をお話させていただきます。

 3D CADは、「形状の仮想試作」ということができます。

 形状を仮想的にシミュレーションすれば、試作することなく「重量、重心位置、干渉」が分かります。

 CAEは、まさに「性能の仮想評価」です。

 性能を仮想的にシミュレーションすれば、試作することなく「変形、応力、振動数」などの性能を評価することができます。

 そして、機構解析(メカニズムデザイン)により「動作の仮想検証」を行います。試作することなく動作の「速度、反力、疲労」などを検証することができます。

 「形状の仮想試作」と「性能の仮想評価」ができれば、それは「単品性能」を把握することになります。

 「形状の仮想試作」と「動作の仮想検証」ができれば、「組立性能」を把握することになるでしょう。

 「性能の仮想評価」と「動作の仮想検証」ができれば、「動作性能」を知ることができます。

 このように「シミュレーション」はデジタルエンジニアリングを強力に推進するエンジンの1つとなります。

ここまで!

と、こんな感じです。

 文章で書くと同じ言葉がたくさん出てきて冗長な感じがしますが、実際に図形を一つ一つ指しながら発表してみると、そんなにしつこい感じはしません。筆者は「PowerPoint」のアニメーション機能で、長方形を表示して説明、丸を表示して説明、それを3回繰り返します。そして、長丸を表示して、長方形の関連性を説明します。

 これまでの筆者の経験として、長丸にソリューションが入ることが多いです。長丸に入るキーワードこそが、カタログやWebサイトにはない、あなたのアタマから絞り出したアイデアとなります。

 バラバラな発想を比較的簡単にシステマティックにまとめられるデザインスゴロク。説得力も抜群ですので、ぜひ活用してみてください。 (次回に続く

⇒ 連載バックナンバーはこちら

Profile

栗崎 彰(くりさき あきら)

1958年生まれ。サイバネットシステム株式会社 シニア・スペシャリスト。1983年より37年間、構造解析に従事。I-DEASの開発元である旧 SDRC 日本支社、CATIAの開発元であるダッソー・システムズを経て現在に至る。多くの企業で3D CADによる設計プロセス改革コンサルティングや、設計者解析の導入支援を行う。特に設計者のための講座「解析工房」が人気。解析における最適なメッシュ・サイズを決定するための「OK法」を共同研究で模索中。


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