「DX先進企業」は従業員の動機付けを重視、心理的安全性の向上にも取り組む:製造マネジメントニュース
IDC Japanは2021年8月10日、国内企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する動向調査について発表した。
IDC Japanは2021年8月10日、国内企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に関する動向調査について発表した。回答社を企業戦略上のDXの位置づけなどで「DX先進企業」と「DX後進企業」に分類し、それぞれの回答結果を比較したところ、両者間で組織文化に関する意識の違いなどが見られた。
調査は2021年5月に実施した。対象となったのはDXを実施する国内企業で、実際にDXプロジェクトに関わっているマネジャークラス以上の150人。DXの戦略や戦術、予算、KPI(重要業績評価指標)、課題、組織/文化、IT基盤などに関して質問を行った。
国内企業のDXに対する取り組み状況は、「DXを企業戦略と全体的、長期的に連携させている企業(DX先進企業)」が56.0%となり、前年同調査と比較して4.5%増加した。また、DX先進企業と「DXを企業戦略と部分的、短期的に連携させている企業(DX後進企業)」にDXを実現する上で重要な組織文化をそれぞれ尋ねたところ、DX先進企業では従業員の動機付け要因に関わる「組織全体に渡る新規技術への親しみ」や「従業員に全ての権限を与える」を、DX後進企業では満足度要因に関わる「適切な報酬」などの回答数が多かった。
また、リスクを恐れずコミュニケーションが行える状態である「心理的安全性」についての意識では、DX先進企業の約56%がその醸成に取り組んでいると分かった。これはDX後進企業と比較して約15%高い回答結果であった。心理的安全性は既存事業の改革や新規事業の創出などの場面で効果が期待できる組織文化の要因と見なされている。
DX推進上の課題では「必要なテクノロジーを持った人材の不足」「リーダーシップの不足」「長期的なロードマップや計画が描けない」「保守的な組織文化」などの項目が上位に挙がった。一方で「変革を支援する適切なテクノロジーパートナーが不足」の回答数は少なかったことから、IDC Japanは国内企業のDXにおける本質的な課題を「社内のビジネスと組織文化に精通したテクノロジー人材の不足」と推測している。
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