地図データベースを作成するトヨタグループ企業がクラウドデータベース採用:製造IT導入事例
日本オラクルは2021年8月11日、カーナビゲーションなどを対象に地図データベースや施設情報を提供するトヨタマップマスターの地図制作業務において、「Oracle Database Cloud Service」と「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」が採用されたと発表した。
日本オラクルは2021年8月11日、カーナビゲーションなどを対象に地図データベースや施設情報を提供するトヨタマップマスターの地図制作業務において、「Oracle Database Cloud Service」と「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」が採用されたと発表した。単一のクラウドデータベース内での地図制作に必要なデータモデルやデータワークロードの利用、管理を実現するとともに、業務フロー、IT運用、コストの最適化を可能にする。
トヨタマップマスターは現在、自動車業界で注目を集めるCASE(Connected:つながるクルマ、Autonomous:自動運転、Shared:カーシェアリング、Electric:電動化)の支援を目的に、自動車利用者の安全な移動をタイムリーな情報提供で支える情報基盤プロバイダー「MIPP(Mobility Information Platform Provider)」の実現に向けて取り組みを進めている。
その過程では、全国の道路や建築物、施設、地形の変化を詳細に調査して、その変化を随時データベースに反映する作業がある。ただ、従来はこれらのデータをオンプレミスのシステム内にあるドキュメント・データベースで一元管理していたが、業務別に存在する数百のツールやデータベースによって地図編集業務のサイロ化が進むと同時に、ITの運用管理負荷やデータの増加に伴うデータベースの追加コストが課題となっていた。
そこでトヨタマップマスターでは、地図制作や更新業務の迅速化に加えて、AI(人工知能)や地図の自動生成、ビッグデータの分析、利活用など新たな技術領域の強化を目指して、地図制作データベースの基盤をパブリッククラウド上に構築することにした。今回、OCIとOracle Database Cloud Serviceを採用した理由としては、価格性能の高さや、地図制作に必要な空間データ、グラフデータベースなどのあらゆるデータモデルやデータワークロードに対応するコンバージドデータベースエンジンを備えている点に加えて、日本オラクルのコンサルティング部門が高い技術や知見を持つ点を評価したためだという。
トヨタマップマスターでは新しい地図制作データベース基盤を、日本オラクルのコンサルティング部門による技術支援のもと2021年度中に構築して、その後段階的に稼働開始する予定だ。
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