約3人に1人が、自身の勤務先を「ブラック企業だと思う」と回答:キャリアニュース
日本労働調査組合が「ブラック企業に関するアンケート」の結果を発表した。勤務先がブラック企業だと「思う」と31.2%が回答した。また、ブラック企業の定義を尋ねたところ、トップ3は「サービス残業」「ハラスメント」「長時間労働」だった。
日本労働調査組合(日労)は2021年7月21日、「ブラック企業に関するアンケート」の結果を発表した。同調査の対象者は全国の20〜49歳の会社員で、516人から有効回答を得た。
初めに、自身の勤務先をブラック企業だと思うかと尋ねたところ、31.2%が「思う」と回答した。「思わない」は48.6%、「分からない」は20.2%だった。「分からない(ブラック企業かもしれない)」を含めると、自身の勤務先を「ブラック企業ではない」と否定していない人が51.4%を占めている。
なお、日本労働組合総連合会(連合)が2014年に実施した「ブラック企業に関する調査」では、「(ブラック企業だと)思う/どちらかというと思う」が26.9%、「思わない/どちらかというと思わない」が73.1%だったが、今回の日労の調査では「思う」が4.3ポイント増加した。「思わない」は24.5ポイント減少している。
年代別に見ると、「(ブラック企業だと)思う」は、20代33.9%、30代33.5%、40代25.9%となった。「思わない」は、20代48.3%、30代41.5%、40代56.6%となっている。
ブラック企業の定義、1位は「サービス残業」
次に、「あなたが思うブラック企業の定義を教えてください」と尋ねた。その結果、1位は「サービス残業」(36.9%)だった。2位からは「ハラスメント」(17.2%)、3位が「長時間労働」(15.8%)、4位「残業が多い」(13.7%)、5位「給料が安い」(10.8%)が続いている。また、1位の「サービス残業」は、残業代が支払われないことを否定するものだが、4位の「残業が多い」は残業自体を否定しており、それぞれ独立している。
ブラック企業の定義について、カテゴリー別の内訳比率を見ると、1位「労働時間」(69.1%)、2位「ハラスメント」(29.6%)、3位「休日」(19.5%)、4位「給与待遇」(17.7%)となっており、「労働時間」が圧倒的に多くなっている。
ブラック企業に関する体験談には、「残業代が30分ごとに出るが強制的に29分でタイムカードを切らされる」「業務チャットツールの個人同士でのやりとりを管理職が閲覧している」「休日を取ると出張の移動日にさせられる」「毎日残業、休日なしで働いているのに平均月収よりも安い」などが寄せられている。
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