“沖縄そば”などの製造報告をモバイルアプリ作成ツールで効率化:製造IT導入事例
アステリアは2021年7月27日、沖縄そば麺などの製造、小売りなどを手掛けるおきなわ物産センターが、モバイルアプリ作成ツールの「Platio」を導入したと発表した。「製造日報アプリ」の作成で、製造報告の効率化とペーパーレス化などを達成した。
アステリアは2021年7月27日、沖縄そば麺など沖縄商材の製造、小売りなどを手掛けるおきなわ物産センターが、モバイルアプリ作成ツールの「Platio」を導入したと発表した。同ツールで「製造日報アプリ」を作成することで、製造報告の効率化とペーパーレス化などを達成した。
おきなわ物産センターは、沖縄そば麺やサータアンダギーなどを自社工場で製造している。その管理過程では、製造に使用した原材料の量や製造時間、工数などの情報を紙に記録して週毎にExcelに転記、集計処理を施す作業を行う。こうして収集したデータを、製造計画策定の判断材料としていた。
ただ、従来の業務フローでは、紙に記録した情報を工場から事務所に持ち帰る機会が週1日しかなく、アナログデータをPCに取り込むまでに最大1週間のタイムラグが発生すること、また、紙とExcel両方への入力が必要なことなどが課題だった。
そこでPlatioを活用して「製造日報アプリ」を作成、現場に導入した。アプリケーションの作成にかかった日数は3日間だという。導入によって、工場にいるスタッフのスマートフォンから製造報告の入力が行えるようになった。製造報告の即時性が向上して報告作業の工数を1人当たり月約4時間削減、ペーパーレス化も実現できたという。
また、Platioの標準機能を活用することで、集計データから1時間毎の製造量の平均値を算出して、製造量の推移をグラフで見える化した。これによって、最適な人員配置によるコスト削減や売上拡大に向けた製造計画の策定などを機動的に実施可能な体制を構築した。
おきなわ物産センターは今後、製造工場に加えて店舗の売上報告や改善レポートにもPlatioを活用して、現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する計画だという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- いま一度確認しておきたい、製造業DXで「結局何ができるのか」?
製造業でも多くの関心が寄せられている「DX」。前回連載の「製造業に必要なDX戦略とは」では、製造業におけるDXへの取り組み方を3つ例に挙げて解説した。本連載では、DX基盤を構築したその先で、具体的に「何が実現できるのか」を紹介する。 - モバイルデバイスを活用した報告業務効率化サービスを提供開始
リコージャパンは、スマートフォンなどモバイルデバイスを活用して、生産現場の報告業務を効率化するクラウドサービス「RICOH らくらくKAIZENサービス」の提供を開始した。 - “日本語で報告書を読むAI”が日本の製造業の競争力を守る
デジタル技術による変革が進む中、製造業はどのようなことを考え、どのような取り組みを進めていくべきだろうか。本連載では「AIによる自然言語処理」をメインテーマと位置付けながら、製造業が先進デジタル技術とどう向き合うかを取り上げる。第3回はなぜ製造業において知見の有効活用が行われてこなかったのかについて解説する。 - 製品外観検査の省力、自動化を支援するソリューションを共同開発
リコーは画像AIソリューションを手掛けるRidge-iと資本業務提携する。リコーの光学技術とRidge-iの画像AI技術を組み合わせ、製品外観検査の省力、自動化を支援するデジタルソリューションを共同開発する。 - いまさら聞けない「製造業のDX」
デジタル技術の進歩により現在大きな注目を集めている「DX」。このDXがどういうことで、製造業にとってどういう意味があるのかを5分で分かるように簡単に分かりやすく説明します。