村田機械が類似形状データベースを採用、部品の共通化で生産性を向上:メカ設計ニュース
スマートスケープの類似形状データベース「SS4M」を村田機械が採用した。過去の設計や製造ノウハウの再利用を促進することで、設計、製造、購買、見積もり業務の生産性を向上する。
スマートスケープは2021年6月28日、同社の類似形状データベース「SS4M」を、同月から村田機械が採用していると発表した。村田機械は設計業務の効率化や図面点数削減などの課題解決のため、部品共通化促進のツールとしてSS4Mを検討していた。
SS4Mは、蓄積された3D CADのデータ群から類似した形状を検索し、3Dモデルの表示や属性情報などの確認を可能にする。過去の設計や製造ノウハウの再利用を促進することで、設計、製造、購買、見積もりなどの業務の生産性を向上する。
10種類以上の3D CADデータへの対応や、3D形状比較を可能にする機能性、類似精度やユーザビリティの高さなどが村田機械に評価され、繊維機械事業部の設計部門と資材部門での導入が決まった。
SS4Mの導入前は、機種を横断した類似部品の検索に、設計者は構想設計の段階で1部品当たり平均23分、資材部門では平均7.5分を費やしていた。既存システムで全機種の部品を検索対象とした場合、類似部品の検索だけで1週間以上必要だった期間が、SS4Mの導入により5分以内で検索可能になり、全体で1部品当たり30分程度のリードタイム短縮を見込んでいる。
また、類似検索によって過去実績部品の流用や参照につながり、1部品当たり30分程度の作図時間の短縮が可能と想定する。
村田機械は今後、短縮した時間を評価や新規開発に活用することで開発スピードを加速し、QCD(品質、コスト、納期)の向上を図る。SS4Mの導入は設計業務だけではなく、製造、購買、資材の見積もり業務の効率化や、コストダウンなどに有用性が見込まれる。さらに、他のシステムとの連携によりSS4Mの活用範囲を広げ、利用価値を最大化するよう取り組んでいく。
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