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納期算出がわずか10分に、クリモトが金型製作に類似形状データベースを採用メカ設計ニュース

スマートスケープは、同社の類似形状データベース「SS4M」がクリモトの金型設計製造事業に採用されたことを発表。クリモトは、金型製作における品質、見積コスト、見積納期の3つのバランスを最適化することを目指し、SS4Mの導入を決定した。

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 スマートスケープは2020年11月12日、同社の類似形状データベース「SS4M」がクリモトの金型設計製造事業に採用されたことを発表した。

 金型製作では、品質やコストが重要視されるが、それらの前提となる見積もりの精度が低いと納期遅れなどにつながり、企業としての信頼を損なうリスクがある。クリモトは、金型製作における品質、見積コスト、見積納期の3つのバランスを最適化することを目指し、SS4Mの導入を決定した。

流用設計や部品の再利用を支援

 これまでクリモトでは、同じ形状に見えても数mm以下の単位で異なる金型製作依頼に対し、長年の実績と経験を踏まえて熟練社員が見積もりと納期を算出してきた。しかし、品質、コスト、納期を最適に算出するには、過去実績の確認に30分、金型の構想に2〜3時間と、毎回多くの工数をかけて対応する必要があり、それでも見積もりと実際の納期にずれが生じるケースもみられていたという。

類似形状データベース「SS4M」の画面イメージ
類似形状データベース「SS4M」の画面イメージ ※出典:スマートスケープ [クリックで拡大]

 SS4Mは、データベース内のモデル群から形状が似ているモデルを探し出すことができ、過去の設計、製造のノウハウを再利用することで、業務の生産性向上に寄与する。

 従来の製造現場では、同じ部品や類似部品の検索を属人的に行っており、他の設計者が設計したものは「その人に聞かなければ分からない」といった課題を抱えていた。SS4Mはこうした課題を解決するもので、流用設計や部品の再利用を支援し、部品の新規作成コストを削減することが可能となる。また、SS4Mはデータベース内のモデルの特徴量を基に、タグ付けが行え、類似形状ごとに自動でグループ分けすることもできる。

 SS4Mの導入により、依頼された形状を基に、わずか10分程度で過去の類似形状を検索でき、同時に、用途や設計意図についても確認できるため、これまで構想に要していた2〜3時間を省力化できるという。

 クリモトは今後、品質、見積コスト、見積納期のバランスの最適化のみならず、業務効率化も実現し、営業担当がSS4Mを使用して納期の回答を行うなど、さらなる活用に期待を寄せる。

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