バーチャル環境の開発プラットフォームで大型車両の製品管理、開発を効率化:メカ設計ニュース
Dassault Systemesの「3DEXPERIENCEプラットフォーム」を、Texelisが大型車両開発向けに導入した。データを標準化し、バーチャル環境で製品管理ができるため、さまざまな市場に合わせて調整しながらの製品開発が可能になる。
Dassault Systemes(ダッソー・システムズ)は2021年5月6日、同社の「3DEXPERIENCEプラットフォーム」を、Texelisが大型車両の開発向けに導入したと発表した。Texelisは、7カ月半で全ての既存データを新プラットフォームへ移行しており、現在は140人の従業員が本格的に利用できる状態にあるという。
Texelisは、公共交通や防衛分野に採用されている、大型車両向けの車軸やパワートレインの開発、販売を手掛けている。3DEXPERIENCEプラットフォームの導入により、Texelisは設計やエンジニアリング、シミュレーション、製造の各アプリケーションをバーチャル環境下で統合可能になる。
その結果、チームや顧客、サプライヤー間の連携がスムーズになり、地下鉄、路面電車、バス、自動車、トラック、装甲車といった幅広い製品群を、車両システムや車両レイアウトなどの構成に基づいて、開発、試作できるようになる。
また、自社のPLM(製品ライフサイクル管理)プロセスで構築したデータを、保守、修理、改修などのサービスに利用することも可能になる。3DEXPERIENCEプラットフォームの活用により、グローバルな製品管理業務に対応することで、製品開発においてさまざまな市場に合わせた構成、調整が可能になる。
Texelisは、製品管理や開発のスピードを高め、サービスの付加価値を明確にすることで、新たなビジネスチャンスを獲得していく。
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