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つながるデジタルオンデマンド印刷を可能に、ロボットなどを結び自動化を加速FAニュース

ミマキエンジニアリングは2021年6月2日、生産性をより高めた産業用大判フラットベッドUVインクジェットプリンタ「JFX600-2513」「JFX550-2513」の2機種を2021年夏に販売すると発表した。

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 産業用インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタなどを手掛けるミマキエンジニアリングは2021年6月2日、生産性をより高めた産業用大判フラットベッドUVインクジェットプリンタ「JFX600-2513」「JFX550-2513」の2機種を2021年夏に販売すると発表した。

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新製品の大判フラットベッドUVインクジェットプリンタ「JFX600-2513」(クリックで拡大)出典:ミマキエンジニアリング

 新製品は搭載ヘッド数を大幅に増やすことで、高効率なプリントが可能になり、2012年発売の「JFX500-2131」との比較で、「JFX600-2513」では約300%、「JFX550-2513」では約150%の生産性向上ができる点が特徴だ。また、搭載可能な色数も前機種の4色から6色対応へと拡張し、豊富なインクバリエーションでより表現力を高めた。従来以上に高品質なサイングラフィックの製作が可能となる。価格は「JFX600-2513」が約2000万円、「JFX550-2513」が約1400万円で、国内外で160台の出荷を目標としている。

 製作可能サイズは最大2500mm×1300mm、厚み60mm で、看板製作によく利用される4×8版(1220mm×2440mm)に対応。メディアへのダイレクトプリントが可能なため、大型のサインボードをはじめ樹脂、ガラス、金属など、多様なメディアにプリントできる。また、大型の装飾、サインディスプレイや建装材などの幅広い分野での利用が期待できるという。厚み60mmまでの高さがあるメディアへのダイレクトプリントや、UV インクを何層にも重ねてプリントすることで表面に凹凸感を出す2.5Dプリント(厚盛り印刷)が可能で、付加価値の高い印刷用途に対応する。

 新機種で使用する同社開発のUVインクは、揮発性有機化合物(VOC)が極めて少なく、人と環境に配慮した環境調和型インクであり、米国の第三者安全科学機関ULが規定する世界で最も厳しい基準を持つVOCの排出測定試験を満たすことから「GREENGUARD Gold」認証を取得するなど環境への安全性が認められている。

つながるデジタルプリンティングを推進

 さらに、同社では、ロボットやベルトコンベヤーなどで、検査装置、各種センサー、前後装置等の周辺機器とインクジェットプリンタを相互通信でつなぎ、生産ラインへの組み込みや無人でのオンデマンド生産、マスカスタマイゼーションを実現する「つながるデジタルプリンティング」の開発を進めている。

 ユーザーの生産システムや周辺機器からプリンタを制御できる同社独自の「MDL コマンド」に対応し、プリンタのインク残量やエラー情報などを取得できる他、印刷媒体(ワーク)をセットするテーブルの位置や高さ、プリント開始などのプリンタ動作を制御可能。ワーク搬送などのプリント工程を無人化、省人化、自動化できる。これらにより、前後工程も含めたデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現に貢献し、新たな付加価値につながるデジタルオンデマンドプリントソリューションの提供を目指す。

 オンラインによる発表会でミマキエンジニアリング 代表取締役社長の池田和明氏は「コロナ禍において、2020年に新しく立案した中長期計画『Mimaki V10』では、新たなイノベーションの創出を最重要視しており、顧客とともに新しいマーケットや領域の創出に取り組んでいる。新製品は従来機種と比べ約3倍生産性を高められる高速モデルで、顧客の作業時間、納期の短縮、生産性の向上に寄与できる。さらに当社は今後、高生産性の領域を視野に入れた製品開発を行う」などと述べた。

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