DMOSとASICを1チップ化したセミカスタムICを開発、外販ビジネスに参入へ:組み込み開発ニュース
セイコーエプソンは、DMOSに特定用途向けIPコアと論理回路を混載した高耐圧、大電流対応DMOS-ASICの外販ビジネスに参入する。第1弾として、セミカスタムIC「S1X8H000」「S1K8H000」シリーズの国内受注を開始した。
セイコーエプソンは2021年5月26日、DMOS(Double-Diffused MOSFET)に特定用途向けIPコアと論理回路を混載した高耐圧、大電流対応DMOS-ASICの外販ビジネスに参入すると発表した。第1弾として、セミカスタムIC「S1X8H000」「S1K8H000」シリーズを開発し、国内受注を開始した。
両シリーズとも、0.15μmのCMOSおよびDMOSの混在プロセスを採用し、独自の回路化技術によりアナログ系制御素子を集積可能とした。電力用半導体素子、専用IC、高耐圧電流部をIPコアとして提供し、顧客の設計する論理回路も混載して1チップ化しているため、部品の点数を削減し、省電力化、高効率化に貢献する。
S1X8H000は、特定用途向けハードマクロを搭載し、顧客の回路をSOG(Sea Of Gate)で混載可能なエンベデッドアレイ。S1K8H000は、内部ロジックセルとROM、RAM、CPU周辺やアナログ回路を集積可能なスタンダードセルだ。
DMOS耐圧はPMOSが40V、NMOSが60Vで、DMOS電流は2A。電源電圧は2.7〜5.5V、I-O駆動能力は最大12mAで、温度範囲は−40〜+105℃としている。IPコアは、過電流検知機能付きDMOSトランジスタ、Hブリッジ回路、LDO、EEPROM、SRAMなど、順次開発していく予定だ。
主な用途として、IO-Linkなどの通信送受信回路、高電圧スイッチ、スイッチング電源、モータードライバ、モーター駆動用Hブリッジなどを見込む。
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