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「Raspberry Pi Pico」のマイコンを単品発売、その名も「Raspberry Silicon」組み込み開発ニュース

英国Raspberry Pi財団は2021年1月に発表したスタンドアロンのマイコンボード「Raspberry Pi Pico」に採用した独自設計のマイコン「RP2040」の単品販売を開始する。愛称として「Raspberry Silicon」と名付けており、パートナーを通じて1個当たり1米ドルで販売する。

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 英国Raspberry Pi財団は2021年6月1日(現地時間)、同年1月に発表したスタンドアロンのマイコンボード「Raspberry Pi Pico」に採用した独自設計のマイコン「RP2040」の単品販売を行うと発表した。愛称として「Raspberry Silicon(ラズベリーシリコン)」と名付けており、パートナーを通じて1個当たり1米ドルで販売する。国内ではスイッチサイエンスやKSYなどが取り扱いを開始しており、税込み価格はスイッチサイエンスが10個パックで1265円KSYが1個当たり132円となっている。

「RP2040」の外観
「RP2040」の外観。愛称は「Raspberry Silicon」(クリックで拡大) 出典:スイッチサイエンス
「RP2040」の10個パッケージ
「RP2040」の10個パッケージ(クリックで拡大) 出典:スイッチサイエンス

 RP2040は、動作周波数133MHzのデュアルコア構成の「Cortex-M0+」と、264KBのRAMをオンチップメモリで搭載している。フラッシュメモリは、専用QSPIバスを介して最大16MBをオフチップで利用できる。この他、DMAコントローラーや補間器、整数除算器なども搭載している。入出力インタフェースでは、4本のアナログ入力を含むGPIO×30、UART×2、SPIコントローラー×2、I2Cコントローラー×2、PWMチャネル×16、USB 1.1(ホストおよびデバイスサポート付きのコントローラーおよび PHY)×1、プログラマブルI/O×8などとなっている。これらの機能は、40nmプロセスで製造された2×2mmのシリコンダイと、外形寸法7×7mmの56ピンQFNパッケージに詰め込まれている。

「RP2040」のブロックダイヤグラム
「RP2040」のブロックダイヤグラム 出典:Raspberry Pi財団

 RP2040のソフトウェア開発では、マイコン向けで一般的なC言語ベースのSDK(ソフトウェア開発キット)に加えて、より抽象度の高いMicroPythonを利用できる。さらに直近では、リアルタイムOSの「FreeRTOS」によるサポートも追加している。

 2021年1月発表のRaspberry Pi Picoは、既に60万個以上を出荷しているとともに、70万個以上の受注残があるなど多くのユーザーに受け入れられている。その中で、Raspberry Pi PicoではなくIC単品としてRP2040のサンプル供給を求める数百の要望もあったという。

 そこでRaspberry Pi財団は、RP2040のサプライチェーンから約4万個を引き上げて、Raspberry Siliconとして単品販売することを決めた。RP2040の単品販売は約3カ月前倒しで実施することとなり、これに合わせてRaspberry Pi Pico関連の開発スケジュールを整理してRP2040の生産を拡大する方針。「2021年秋には、必要とする人々に一定量を供給できるようになる」(同財団)としている。

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