ラズパイ4の8GBモデルが登場、標準OSも64ビット対応へ:組み込み開発ニュース
英国Raspberry Pi財団は2020年5月28日(現地時間)、「Raspberry Pi 4 Model B(以下、ラズパイ4)」にメモリ容量8GBモデルを追加すると発表した。価格は、2GBモデルの35米ドル、4GBモデルの55米ドルに対して、75米ドルに設定されている。また、8GBのメモリ空間を有効に扱える64ビット対応の「Raspberry Pi OS」のβ版もリリースした。
英国Raspberry Pi財団は2020年5月28日(現地時間)、「Raspberry Pi 4 Model B(以下、ラズパイ4)」にメモリ容量8GBモデルを追加すると発表した。価格は、2GBモデルの35米ドル、4GBモデルの55米ドルに対して、75米ドルに設定されている。また、8GBのメモリ空間を有効に扱える64ビット対応の「Raspberry Pi OS」のβ版もリリースした。
ラズパイ4は、それまでのラズパイ3とは違い、異なるメモリ容量(1GB、2GB、4GbB)と価格によって製品ラインアップを展開してきた。そして、8GBモデルの投入も当初から想定されていたという。ラズパイ4発売時にリリースされたビギナーズガイドにも、メモリ容量8GB以上のモデルの存在が示唆されていた。実際に、ラズパイ4のメインプロセッサである「BCM2711」が扱える最大メモリ容量はLPDDR4 SDRAMで16GBである。
8GBモデルの製品化の障壁になっていたのは、ラズパイ4に搭載可能なメモリ容量8GBのLPDDR4パッケージがなかったことだった。しかし、2020年初にパートナーであるマイクロン(Micron Technology)からの供給が得られるようになったことで、今回の8GBモデルを発売につながった。
新たなメモリパッケージは従来よりも高めのピーク電流を流す必要がある。このため、スイッチング電源回路を新たな設計に変更し、設置位置もUSB 2.0コネクターの右側からUSB-Cコネクターの近傍に変更している。なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響でアジアからインダクターが入手できず、8GBモデルのリリースを3カ月遅らせることになったという。
8GBモデルの投入に合わせて、これまで展開してきた標準OSの「Raspbian」についても、よりラズパイの標準OSとして分かりやすい「Raspberry Pi OS」に名称変更し、8GBのメモリ空間を有効活用するための64ビット対応も進めることになった。現時点で64ビット対応のRaspberry Pi OSはβ版としてのみリリースされている※)。
※)Raspberry Pi OS (64 bit) beta test version
ラズパイ4の8GBモデルは日本国内でも販売が始まっている。KSYのWebサイトによれば、価格(税別)はラズパイ4単体が8200円、ヒートシンクやスイッチケーブルをセットにした「ベースキットV1」が9250円、ケースや電源、OS書き込み済みのSDカード、HDMIケーブルなども同梱した「スターターキットV1」が1万2400円となっている。
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