技適対応で国内販売解禁の「Raspberry Pi 4」、確かな性能向上も爆熱に!?:組み込み開発ニュース(1/2 ページ)
シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi 4 Model B」の国内販売がいよいよ本格的に始まった。国内で販売が開始されたRaspberry Pi 4 Model Bのメインメモリ4GBモデルについて、従来の“ラズパイ”ユーザーが気を付けたい点と気になるベンチマーク結果を紹介する。
シングルボードコンピュータ「Raspberry Pi 4 Model B」の国内販売がいよいよ本格的に始まった。海外市場では2019年6月から販売が始まっていたが、国内では電波法に基づく技術基準適合証明・工事設計認証(技適マーク)の取得を待ってからの流通が予告されていた。結果、海外市場から遅れること約5カ月での発売となった。
Raspberry Pi 4 Model Bはメインメモリ容量別に3製品をラインアップしている。現時点で国内に流通している技適マーク取得製品は、メインメモリ4GBモデルのみのもよう。メインメモリ1GBモデル、同2GBモデルは販売開始までまだ時間が掛かるとみられる。
本稿では、国内で販売が開始されたRaspberry Pi 4 Model Bのメインメモリ4GBモデルについて、従来の“ラズパイ”ユーザーが気を付けたい点と気になるベンチマーク結果を紹介する。
コネクター形状やフォームファクタが大幅変更
Raspberry Pi 4 Model Bでは、SoC(System on Chip)の高性能化やメインメモリの高速・大容量化、ギガビットイーサネットのフルスループット化など性能面で改良が加えられた。一方で、I/Oやフォームファクタなど従来モデルから互換性がなくなった点もある。
まず、従来のラズパイユーザーが最も気をつけたい点が電源と映像出力の端子形状だ。Raspberry Pi 4 Model Bの電源コネクターはUSB Type-Cに、映像出力コネクターはマイクロHDMI(HDMI Type-D)に変更されている。従来モデルで使っていたHDMIケーブル、もしくはUSB micro type-Bケーブルはそのままでは流用できない。それぞれに対応したケーブル、もしくは変換コネクターをそろえる必要がある。
新たにデュアルディスプレイをサポートしたためマイクロHDMIを2ポート備えるが、シングルディスプレイ時は電源用USB Type-Cコネクターに近いマイクロHDMIポート(ボード上に「HDMI 0」とシルク印刷されている)のみ有効となる。HDMI-マイクロHDMI変換プラグなどを用いる場合は、隣接する電源用USB Type-Cケーブルとの干渉に注意したい。
従来モデルと同様に、USB Type-Aコネクター4ポート(2ポートのUSB 3.0を含む)とギガビットイーサネット用のRJ-45コネクター1ポートを備えるが、両コネクターの配置が従来モデルと逆となった。なお、GPIO(General Purpose Input/Output)などの低レベルI/Oは従来モデルと同一の機能、ピンアサインを維持している。
また、電源面では最低供給電流が3Aに引き上げられたが、USB周辺機器の消費電流が500mA以下の場合は同2.5A以上に要求を若干緩和されている。
Raspberry Pi 4 Model B | Raspberry Pi 3 Model B+ | |
---|---|---|
SoC | Broadcom BCM2711 | Broadcom BCM2837B0 |
CPU | 1.5GHz クアッドコア Cortex-A72 | 1.4GHz クアッドコア Cortex-A53 |
GPU | デュアルコア VideoCore IV 500MHz | デュアルコア VideoCore IV 400MHz(3D 300MHz) |
メモリ | LPDDR4-2400 SDRAM 1GB/2GB/4GB(モデルによって異なる) | LPDDR2 SDRAM 1GB |
ギガビットイーサネット | フルスループット | 300Mbpsまで |
Bluetooth | 5 | 4.2 |
USB | USB 3.0×2、USB 2.0×2(全ポート合計で1.2Aの電流が供給可能) | USB 2.0×4 |
映像出力端子 | HDMI Type-D×2 | HDMI Type-A |
電源ポート | USB Type-C | USB micro-B |
動作に必要な最低電源電流 | 3A(USB周辺機器の消費電流が500mA以下の場合、2.5A以上) | 2.5A |
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