5K解像度VRヘッドセット2機種とビジネス向けツールを発表:VRニュース
HTC NIPPONは、5K解像度のVRヘッドセットの新機種「VIVE Pro 2」「VIVE Focus 3」と、VRやARなどXRをビジネスに活用するためのツール「VIVE Business」を発表した。優れたビジュアルとオーディオ、管理ツールで、多様なVRニーズに応える。
HTC NIPPONは2021年5月12日、5K解像度のVR(仮想現実)ヘッドセットの新機種「VIVE Pro 2」「VIVE Focus 3」と、VRやAR(拡張現実)などのXRをビジネスに活用するための包括的なツール「VIVE Business」を発表した。VIVE Pro 2とVIVE Focus 3は同年6月下旬に発売予定で、希望小売価格(税込)はそれぞれ10万3400円、13万900円となる。
PC接続型のVIVE Pro 2は、両目それぞれに2.5K解像度の映像を提供し、クリアで滑らかなアニメーションにより、ハイエンドVRゲームが楽しめる。
ディスプレイは、120HzのリフレッシュレートとリアルRGBサブピクセルを備えた高速スイッチングパネルを組み合わせており、新しく採用したデュアルスタックレンズ設計で視野角が120度に拡大している。こうした機能強化がモーションブレを最小限に抑え、スクリーンドア現象を仮想的に軽減するため、自然な没入体験を得られる。
NVIDIAやAMDと連携し、ディスプレイストリーム圧縮を適用することで視覚品質を向上。DisplayPort 1.2との下位互換性もあるため、VIVE Pro用グラフィックスカードの使用でもメリットが得られる。
また、ヘッドストラップ、IPD(瞳孔間距離)ダイヤルを備えており、IPDの微調節が可能だ。さらに、重量バランスが均等に分散しており、ユーザー個人の好みに合わせて快適に装着できる。ヘッドフォンはHi-Res認証を取得しており、3D空間サウンドを楽しめる。なお、サードパーティーのヘッドフォンもサポートする。
オールインワンタイプのVIVE Focus 3は、ビジネス向けのVRソリューション。優れたビジュアルとオーディオ、人間工学に基づいたデザイン、ハイレベルのインサイドアウト方式トラッキングとコントローラーを備える。QualcommのSnapdragon XR2プラットフォームを搭載し、VIVE Focusのオリジナルモデル比でCPUとGPUの性能が2倍、AI(人工知能)処理が11倍と大幅に向上している。
デュアル2.5Kディスプレイ、90Hzのリフレッシュレート、120度の広視野角により優れた没入感を提供する。新しいビジュアルは、文字や全体的な忠実度など細部が劇的に見やすくなり、ソフトウェアの設計やユーザーの操作を自然に表現する。
新しいストラップデザイン、バランスの取れた重量配分で快適な装着が可能だ。フレームには、従来のプラスチックと比べて20%軽く、500%強力なマグネシウム合金を使用している。前後のガスケットはどちらも容易に取り外しができるため、多くの人が利用するような状況において、交換や清掃がしやすいというメリットがある。
カーブバッテリーパックは、プレイを中断することなく数秒で交換できる。バッテリー残量はLEDインジケーターで確認可能で、急速充電すれば30分で50%のバッテリー充電ができる。
没入型でリアルなサウンドを提供する新オープンバックスピーカーは、デュアルドライバをペアで備える。接触がないため、ユーザーは周囲の音にも意識を向けつつ、VRに没頭できる。また、VR会議などに利用する際は、オーディオプライバシー設定により、音漏れのリスクを大幅に軽減する。
VIVE Businessは、VR、AR、MR(複合現実)などのXR技術をビジネスに活用するためのソフトウェアとサービスを提供する。
「VIVE Businessデバイスマネジメントシステム」は、VIVE Focus 3のステータスを迅速に確認する、新しいアプリケーションをリモートでインストールする、ソフトウェアを更新するといった、シンプルで直感的なMDM(モバイルデバイス管理)を可能にする。
また、同社は一般消費者向けにアプリケーションストア「VIVEPORT」を提供しているが、今回、VRビジネスツール専用のストア「VIVE Business AppStore」を立ち上げた。他に、数百人規模のトレーニングに対応する「VIVE Businessトレーニング」や、VIVE Focus 3とPCのケーブル接続をサポートする「VIVE Businessストリーミング」などを用意している。
同社は、同年6月11日〜12日に開催するバーチャル新製品発表会「VIVECON Japan 2021」にて、今回グローバル発表した内容の追加情報を公開する予定だ。
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