ダッソーが「SIMULIA」の新ライセンス体系「Unifiedライセンスモデル」を発表:CAEニュース(2/2 ページ)
ダッソー・システムズは、設計エンジニアリングシミュレーション「SIMULIA」ブランドで利用可能な新ライセンス体系「Unifiedライセンスモデル」を発表した。SIMULIAブランドで展開する全ての製品ポートフォリオ間のトークンおよびクレジット互換性を備え、全ソルバーの利用が可能な新しいライセンス体系として、2021年下期から順次展開する。
設計空間探索の実行においては、これまで計算した分だけトークンが消費されていたが、Unifiedライセンスモデルでは、設計空間探索を3DEXPERIENCEプラットフォーム上で実行する場合、トークンの消費が抑えられる仕組みが用意されている。また「SOLIDWORKS」や「CATIA」などの設計者向けパッケージには、ソルバー実行ライセンス(Embedded token)が付属しているため、別途ライセンスを調達することなく、手軽にソルバーを実行できるという。
「Unifiedライセンスモデルで利用可能なソルバー実行ライセンスは、3DEXPERIENCEプラットフォームと従来のスタンドアロン製品とで相互利用できる。つまり、AbaqusやCST Studio Suite、Simpackといった従来型のスタンドアロン製品でUnifiedライセンスを使うこともできるし、3DEXPERIENCEプラットフォーム上での構造解析や流体解析といったシミュレーション実行で、Unifiedライセンスを利用することもできる」(成田氏)
なお、Unifiedライセンスモデルにおけるライセンス管理は、「Managed DSLS」と呼ばれる手法によってオンライン上で実行され、ライセンスの稼働状況やメンテナンスなどが容易に行える。
今回、新ライセンス体系(Unifiedライセンスモデル)の提供に至った背景について、成田氏は「ニューノーマルへの適応、そして、持続可能なイノベーションの創出に向けて、いかにして変化に対応できるビジネスの仕組みを構築するか、いかにして人々の知識や経験をつなげていくか、これらをキーワードとしたデジタル変革/モノづくりデジタル変革がポストコロナ時代には必要だ。ダッソー・システムズおよびSIMULIAブランドとして、こうした大きな変化に対応すべく、新たなライセンスモデルを提供していく」と語る。
また、Unifiedライセンスモデルの提供と併せて、同社はクラウド上の3DEXPERIENCEプラットフォームでシミュレーションを実行できる枠組みとして「3DEXPERIENCE Cloud シミュレーション」を提供する。その最新バージョンでは、(一例として)電磁界解析のCST Studio Suiteをクラウドで利用できるようになったという。
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