産業現場支援向けスマートグラスに採用された、動画手ブレ補正技術:組み込み採用事例
モルフォの動画向け手ブレ補正技術「MovieSolid」が、ウエストユニティスの産業現場向け次世代スマートグラス「InfoLinker3」に採用された。スマートグラスで見た現場映像の手ブレを補正し、遠隔から確認する管理者にも見やすい映像を届ける。
モルフォは2021年5月10日、同社の動画向け電子式手ブレ補正技術「MovieSolid」が、ウエストユニティスの産業現場支援向け次世代スマートグラス「InfoLinker3」に採用されたと発表した。製造、物流、メンテナンス、医療分野などのスマート化に貢献する。
MovieSolidは、IMUセンサーと動き検出技術「SOFTGYRO」により、X軸、Y軸に対する角度ブレ補正に加え、XY軸の並進方向とZ軸の回転方向、前後方向のブレを補正できる。ローリングシャッターや広角レンズのひずみ補正機能も搭載し、スマートフォンをはじめとするエッジデバイスに採用されている。
InfoLinker3は、LTE搭載の非透過型スマートグラスだ。ネックバンド部とヘッドマウント部に分かれた設計で、頭部にかかる負荷が軽く、疲れにくい。また、5000mAhリチウムイオンバッテリーを搭載し、連続5時間使用できるほか、作業中でも電池を交換できる。
ウエストユニティスが提供するスマートグラス専用現場支援サービス「LinkerWorks」とInfoLinker3を連携することで、作業者目線のカメラ映像を遠隔地にいる指示者や管理者が確認できる。その際、作業者が動いていても、InfoLinker3に搭載したMovieSolidの手ブレ補正機能によって、指示者や管理者にも見やすい映像が送信される。
MovieSolidを搭載したInfoLinker3とLinkerWorksは、同年7月より販売開始予定だ。
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