ニュース
演算量を30分の1に圧縮、AIモデルの自動圧縮ソフトウェアを開発:人工知能ニュース
モルフォとアラヤが業務提携契約を締結した。両社の技術を組み合わせて、AIモデルの自動圧縮ソフトウェア「Pressai」を共同開発する。
モルフォは2020年1月16日、アラヤと業務提携契約を締結したと発表した。AI(人工知能)モデルの自動圧縮ソフトウェア「Pressai(プレッサイ)」(CPU版)を共同開発し、同年3月に提供する。
Pressaiは、アラヤの圧縮技術とモルフォのディープラーニング推論エンジン「SoftNeuro」を組み合わせて、AIモデルのサイズを圧縮し、チップへの実装を自動化するソフトウェアだ。
アラヤの技術は、元のモデルと同等の精度を維持しながらも、演算量を最大で約30分の1に圧縮可能で、画像認識などに利用する畳み込みニューラルネットワーク(CNN)の圧縮に適している。
圧縮の後段では、CPU処理の最適化にモルフォのSoftNeuroを利用する。SoftNeuroは、画像認識だけでなく、音声認識やテキスト解析にも利用できる汎用推論エンジンで、さまざまなディープラーニングフレームワークを用いて学習した結果を活用し、多くの環境上で動作する。
PressaiでAIモデルを圧縮し、実装工程を自動化することで、開発期間が短縮できる。また、自動車やモバイル機器、組み込み機器といったエッジデバイス上での推論処理を高速かつ低消費電力で実行可能になる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 組み込みAIは必要不可欠な技術へ、推論に加えて学習も視野に
2017年初時点では芽吹きつつあった程度の組み込みAI。今や大きな幹にまで成長しつつあり、2019年からは、組み込み機器を開発する上で組み込みAIは当たり前の存在になっていきそうだ。 - AIと機械学習とディープラーニングは何が違うのか
技術開発の進展により加速度的に進化しているAI(人工知能)。このAIという言葉とともに語られているのが、機械学習やディープラーニングだ。AIと機械学習、そしてディープラーニングの違いとは何なのか。 - 機械学習はどうやって使うのか――意外と地道な積み重ね
前編では、AI(人工知能)と機械学習、ディープラーニングといった用語の説明から、AIを実現する技術の1つである機械学習が製造業を中心とした産業界にも徐々に使われ始めている話をした。後編では、機械学習を使ったデータ分析と予測モデル作成について説明する。 - AIモデルを自動で圧縮、実装できるツールを開発
新エネルギー・産業技術総合開発機構とアラヤは、AIの深層学習用ニューラルネットワークモデル向けに自動で圧縮・実装できるツールを開発した。AIモデルサイズを最大で約30分の1に削減し、エッジデバイス上でリアルタイムなAI処理が可能になる。 - ルネサスが新たなエッジAI技術を開発、世界最高クラスの電力効率と推論精度
ルネサス エレクトロニクスは2019年6月13日、低消費電力で高速にCNN(畳み込みニューラルネットワーク)の推論を実行できるAI(人工知能)アクセラレータ技術を開発したと発表した。同技術を用いたテストチップは高い推論精度を維持しつつ、世界最高クラス(同社調べ)となる8.8TOPS/Wの電力効率を実現した。 - ラズパイゼロで推論も学習もできる組み込みAI「DBT」、“AIチップ”で開発容易に
AIベンチャーのエイシングが、組み込み機器などのプロセッサでAIの推論実行だけでなく学習も行える独自技術「DBT」について説明。このDBTによるアプリケーション開発を容易に行えるAIモジュール「AiiR(エアー)チップ」を開発したと発表した。