工作機械中心の自動化システム、全オペレーションを制御するソフトウェアを開発:FAニュース
DMG森精機は、同社の自動化システムを制御するソフトウェア「LPS 4 Generation」を開発した。工作機械を中心とした自動化システムの全オペレーションをコントロールする。
DMG森精機は2021年4月12日、同社の自動化システムを制御するソフトウェア「LPS 4 Generation(LPS Gen.4)」を開発したと発表した。複数のロボット、計測、洗浄など工作機械を中心とした自動化システムの全オペレーションをコントロールする。
LPS Gen.4は、タッチパネル式の自動化システム専用操作盤を搭載。耐防塵性、耐水性に優れ、さまざまな工場の環境に対応できる。事務所のPCからも操作でき、工場と事務所での同時作業が可能だ。
自動化システムの一元管理ができ、ワークごとの加工情報をジョブとして登録する。ジョブを呼び出し、数量と加工する優先順を入力して実行するだけで自動化システムが稼働。1パレットに最大32カ所のワーク取り付け位置を設置可能で、多品種ワークの段取り作業を集約でき、生産効率が向上する。
工具管理ソフト「MCC-TMS」を使って工具を一元管理できる。工具の状態を把握し、最適なシステムを稼働することにより、多品種少量生産や長時間の無人運転をサポート。寿命や消耗の予測を確認できる工具レポート機能も搭載する。
他に、マルチクライアント機能、治具管理機能、素材管理機能、最適なスケジュールや加工機を設定するキャパシティープランニング機能、リアルタイムに搬送スケジュールを遂行するダイナミックスケジューリング機能、システムの稼働スケジュールを設定するオペレーションスケジュール機能、外出先から稼働状況を確認できるメール機能、レポート機能を搭載。セキュリティ機能には、ホワイトリスト型のセキュリティ対策ソフトを搭載する。
旧システム「MORIC-AC」「CAPS-LPS」「MCC-LPS II」「MCC-LPS III」からのアップデートに対応する。
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