製造業のリモート業務化やDXを支援するAR開発プラットフォームを販売開始:VRニュース
サイバネットシステムは、製造業のリモート業務化やDXを支援するAR開発プラットフォーム「Vuforia」の販売を開始した。業務の効率化やARマニュアルの作成、熟練者による現場技術者への遠隔指導などに活用できる。
サイバネットシステムは2021年4月14日、製造業のリモート業務化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を支援する、AR(拡張現実)開発プラットフォーム「Vuforia(ビューフォリア)」の販売および技術サポートを開始した。
VuforiaはPTCが開発したもので、サイバネットシステムは日本における販売代理店契約をPTCジャパンと締結している。
Vuforiaには3種類のソリューションがあり、さまざまなニーズに対応する。
「Vuforia Studio」は、プログラミングなしで作業支援ARの動作設定やコンテンツの作成ができる。既存の3D CADデータから、整備マニュアルや組み立て手順書のARマニュアルを自社で作成可能だ。
「Vuforia Chalk」は、熟練作業者がARとビデオ通話によって、遠隔から現場の技術者を支援できる。端末に表示した作業現場の様子を熟練者と現場技術者が共有できるため、同じ場所で作業指示や指導をしているような効果を得られる。これは、指導のために移動する時間やコストの削減にもつながる。
ARコンテンツ開発者向けの「Vuforia Engine」は、多様なAR認識機能を搭載し、幅広い用途のARコンテンツ開発に役立つ。最新版では、空間全体を対象としてAR表示できるエリアターゲット機能が実装されており、大規模な設備点検のARマニュアルも作成できる。
サイバネットシステムは、CAEソリューションやPTCの製造業向けIoT(モノのインターネット)プラットフォーム「ThingWorx」と、Vuforiaを連携させることで、デジタルツイン技術の活用領域を拡張する。
例えば、ThingWorxが設備のセンサーなどからデータを収集して、CAEの解析結果と合わせて予測し、Vuforiaによって交換部品の場所を端末上に立体的に表示させたり、交換手順をスマートグラスに映し出したりできるようになる。システム停止や機器の重大な損傷を未然に防止できるため、稼働率向上や保守コストの削減に貢献する。
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