国内のIoTエッジインフラの利用状況と選定基準に関する調査結果を発表:製造業IoT
IDC Japanは、国内のIoTエッジインフラの利用形態およびベンダー選定基準に関する調査結果を発表した。回答者の37.2%がIoTエッジインフラにおける最重要処理として「データ分析処理」を挙げている。
IDC Japanは2021年4月8日、国内のIoT(モノのインターネット)エッジインフラの利用形態およびベンダー選定基準に関する調査結果「2021年 国内IoTエッジインフラストラクチャ調査:インテリジェントエッジ利用状況」を発表した。
同調査によると、回答者の37.2%がIoTエッジインフラにおける最重要処理として「データ分析処理」を挙げ、3年後はさらに重要性が増す(43.7%)と考えている。中でも「データ分析(AI<人工知能>を利用した深層学習)」は3年後に最上位項目となり、現在重要視されている「OT(制御システム)の監視」を上回ると予測している。
分析処理で使用するデータについては、3年後は「画像データ(動画)」が最上位項目となった。IoTエッジインフラを利用する理由としては、「IoTコアとIoTエッジインフラの全体バランスを考慮した」「データ処理スピードが速い」「データ分析スピードが速い」ことを挙げている。
IoTエッジインフラは現在、回答者の半数近くが「汎用サーバ」を選択。3年後に採用したい設備は、「汎用サーバ」「IoTエッジ専用製品」「クラウドサービスベンダーのIoTエッジサービス」が、ほぼ同率となった。
同社は、今後多様化するデータ分析に処理性能面で対応するとともに、顧客のセキュリティに対する懸念を払拭することが必要だと分析している。
今回の調査は、IoTプロジェクトを推進する国内企業や団体の経営層、事業部門長、部課長、係長、主任クラスを対象としたアンケートで、476組織から回答を得た。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- いまさら聞けない「エッジコンピューティング」
IoT活用やCPS進展の中で、あらためて脚光を浴びている「エッジコンピューティング」。このエッジコンピューティングはどういうことで、製造業にとってどういう意味があるのかを5分で分かるように簡単に分かりやすく説明します。 - 組み込みAIは必要不可欠な技術へ、推論に加えて学習も視野に
2017年初時点では芽吹きつつあった程度の組み込みAI。今や大きな幹にまで成長しつつあり、2019年からは、組み込み機器を開発する上で組み込みAIは当たり前の存在になっていきそうだ。 - IoTはもはやレッドオーシャン!? ブルーオーシャンは「データエコシステム」に
IDC Japanは、国内でIoT事業を推進するベンダーや企業の「データエコシステム」に対する取り組み状況の調査結果を発表した。 - IoT利用率はわずか6.8%、IDCが国内IoT市場動向を調査
IDC Japanは、国内IoT市場の企業ユーザー動向調査の結果を発表した。具体的なユースケースは社内用途が多く、DX利用はわずかなこと、また、IoT導入後も半数以上の企業がいまだにPoC以前の段階であることなどが分かった。 - 国内IoT市場予測、2024年には12兆6000億規模に
IDC Japanは、国内IoT市場について、産業分野別予測とユースケース別の分析結果を発表した。国内IoT市場のユーザー支出額は、2019年から2024年まで年間平均成長率12.1%で成長し、2024年には12兆6363億円に達すると見込んでいる。 - 国内IoT市場、2023年には11兆円規模へ到達する見込み
IDC Japanは、国内IoT市場の用途別、産業分野別の予測を発表した。2018年の実績(見込値)は6兆3167億円で、2023年までの5年間は年間平均成長率13.3%で成長すると予測。産業分野別では製造業の支出額が目立っている。