トヨタは2025年までに15車種、ホンダは中国で10車種、EV展開が加速:電気自動車
自動車メーカー各社が「上海モーターショー2021(Auto Shanghai 2021)」(一般公開日:2021年4月21〜28日)で電動車を披露する。
自動車メーカー各社が「上海モーターショー2021(Auto Shanghai 2021)」(一般公開日:2021年4月21〜28日)で電動車を披露する。
中国の自動車販売は2018年から前年割れが続いている。商用車も含めた2020年の自動車販売台数は前年比1.9%減の2531万台だ。この中で、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)が対象となる「新エネルギー車(新エネ車)」は前年比10.9%増の136万台に成長。上海モーターショー開催地である上海市を含め、行政による新エネ車の生産や販売、インフラ導入への支援も手厚い。農村部への新エネ車普及策も打ち出されている。
このような環境の中国市場向けに、日系自動車メーカーもEVを積極的にアピールする。
トヨタのEV「bZシリーズ」の第1弾
トヨタ自動車はEVのラインアップとして「bZ」を発表。bZシリーズ第1弾となるSUV「bZ4X」のコンセプトカーを初公開した。bZ4Xは日本と中国で生産し、2022年半ばまでにグローバルで販売を開始する。
bZ4Xは、スバルと共同開発したEV専用プラットフォームを採用する。AWD(全輪駆動)システムもスバルとの共同開発だ。EV専用プラットフォームによってショートオーバーハング・ロングホイールベース化し、特徴的なスタイリングとDセグメントのセダン並みの室内空間を実現した。回生エネルギーや、停車中も充電できるソーラー充電システムを活用することにより、冬場でも不便さを感じない走行距離を達成するとしている。
bZシリーズは、中国や米国、欧州など、再生可能エネルギーによる電力供給が多い地域に向けた量販ラインアップだ。2025年までに7車種投入する。EV専用プラットフォームを採用することにより、多くのユーザーが安心して選べるよう使用環境を考慮した走行距離や、EVならではの開放的で自由度の高い室内空間や斬新な外観デザインを特徴としていく。bZシリーズはスバルの他、ダイハツ工業やスズキ、BYDなどのパートナーと共同開発する。
トヨタではbZシリーズの7車種を含め、2025年までにEV15車種を展開する。EVだけでなく、PHEVやFCV、ハイブリッド車(HEV)のフルラインアップ化を推進し、それぞれの国や地域でユーザーが求める使用環境や走行距離、充電インフラの整備状況に合わせて使いやすい電動パワートレインを提供していく。2020年末時点での電動車ラインアップは、乗用車と商用車を合わせてHEV45車種、PHEV4車種、EV4車種、FCV2車種の合計55車種だが、2025年には合計70車種まで拡大する。
ホンダと三菱自はSUVタイプのEV、e-POWERは「新エネ車推進に貢献」
ホンダは、中国では初となるホンダブランドのEVのプロトタイプ「Honda SUV e:prototype」を世界初公開した。2022年春に量産モデルを発売する。ホンダは今後5年以内(2026年春まで)にホンダブランドで10車種のEVを投入する計画だ。上海モーターショーでは、広汽ホンダとしては初となるPHEV「BREEZE PHEV」も出展する。2モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID i-MMD」をベースに日常走行のほぼ全領域でEV走行を実現する。2021年後半に中国で発売する予定だ。
2021年後半から、中国に展開する新製品には第3世代の「ホンダコネクト」を適用する。AI(人工知能)搭載パーソナルアシスタント、運転中のスマート家電の操作、オンラインショッピング、スマートフォンを使ったデジタルキー、無線ネットワークによるソフトウェアのアップデート(OTA:Over-The-Air)など先進機能を展開する。
日産自動車は2025年までに、シリーズハイブリッドシステム「e-POWER」を最量販セダン「シルフィ」など6車種に搭載し、電動車を充実させる。SUVタイプのEV「アリア」なども含めると、中国市場では9車種の電動化モデルを投入する。日産自動車は「高いエネルギー効率を実現するe-POWERは、中国政府が策定した新エネルギー車のロードマップの推進に貢献する」としている。また、中国では2021年下期に「エクストレイル」の新モデルも投入する。
三菱自動車もSUVタイプのEV「エアトレック」を披露した。現在はデザインのみの公開だが、2021年内に発売を予定している。中国専用モデルであり、広汽三菱が販売する三菱ブランドでは4車種目となる。
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