シャープがキューブ型AGVを披露、最小道幅600mmを走行できる:リテールテックJAPAN 2021
シャープは、「リテールテックJAPAN 2021」において、小回りがきくとともに小型であることが特徴のCUBE型AGV(無人搬送車)を披露した。工場の表面実装(SMT)ラインや人手による組み立てラインの他、飲食店客席への配膳、倉庫のキッティング用途などに向けて提案する。
シャープは、「リテールテックJAPAN 2021」(2021年3月9〜12日、東京ビッグサイト)において、小回りがきくとともに小型であることが特徴のCUBE型AGV(無人搬送車)を披露した。工場の表面実装(SMT)ラインや人手による組み立てラインの他、飲食店客席への配膳、倉庫のキッティング用途などに向けて提案する。
CUBE型AGVの外形寸法は幅400×奥行き400×高さ460mmで、名称通りほぼ立方体形状となっている。積載許容荷重は100kgで、コンベヤーやラック台、配膳棚など用途に応じた上物を取り付けられる。
移動方式については、同社が展開している他のAGVのラインアップと同様に、対角に設置した2個のLiDAR(Light Detection and Ranging、ライダー)センサーを用いたガイドレス(無軌道)走行と、磁気テープに沿って走行する有軌道走行の2タイプを現場に合わせて選べる。有軌道走行の場合には、最小道幅600mmでの走行が行える。また、搭載したリチウムイオン電池への自動充電による連続稼働も可能だ。
展示では、小売店舗のバックヤードでのキッティングをイメージした走行デモを行った。バックヤードの各棚前を回るときはLiDARを使ったガイドレス走行、ワイヤレス充電ステーションに戻る際には磁気テープを使った有軌道走行を行うハイブリッド方式である。「位置合わせの精度が重要になるワイヤレス充電のために、±5mmの精度で停止できる有軌道走行を用いている」(シャープの説明員)という。
シャープのAGV事業は2017年にスタートしており、トラスコ中山の工場、ムトウ物流の物流倉庫、がんこフードサービスの飲食店店舗などさまざまな用途に採用されている。また、複数台のAGVを工場や倉庫の設備と連携制御するための集中制御システム「AOS(AGV Operating System)テクノロジー」なども高い評価を得ているという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- シャープのAGV事業が成長する理由、コアは生産技術と集中制御システム
シャープのAGV(無人搬送車)事業が好調だ。2017年から本格的に外部販売を開始して以降、市場拡大以上のペースで順調に成長を続けているという。シャープのAGVへの取り組みについて、シャープ ビジネスソリューション事業本部 システムソリューション事業部 商品企画部 課長の井上克己氏に話を聞いた。 - シャープがAGV発売、タッチ操作で簡単にコース設定が可能
シャープは、自動搬送装置「AGV」の新モデル「TYPE LC」と専用ソフトウェア「Easy Course Editor」の受注を開始した。シンプルなタッチ操作で簡単にコース設定ができ、多彩なオプションで顧客のニーズに対応する。 - MR技術も生かした「AGVの目」、デファクトスタンダードを狙うキヤノンの自信
労働人口減少が進む中で工場でもAGVへの注目が高まっている。その中で「AGVの目」に新たに参入したのがキヤノンだ。新たに投入した映像解析ソフトウェア「Vision-based Navigation System for AGV」のポイントについてキヤノンに聞いた。 - AGV自律走行の誤差1cm以内を実現、高精度な自己位置推定技術が支える
リンクスはAGV(無人搬送車)向けナビゲーションソフトウェア「Navitrol」について解説するセミナーを東京都内で開催した。Navitrolはフィンランドのソフト開発メーカーNavitec Systemsが開発した製品で、ナチュラルフューチャーナビゲーション(NFN)技術などによりAGVの高精度自己位置推定を実現し、事前に指定した経路との誤差1cm以内での自律走行を実現する。 - マツダの「SCiB」採用は「Mazda3」だけじゃない!? AGVの鉛電池も置き換え
東芝インフラシステムズは「TOSHIBA OPEN INNOVATION FAIR 2019」に出展し、リチウムイオン電池「SCiB」の産業機器向けモデル「SCiB SIPシリーズ」のAGVへの採用事例について紹介した。 - AI協調でロボットとAGVを連携、“動いたまま取る”で作業時間38%短縮へ
日立製作所は2018年5月28日、複数のAI(人工知能)技術を協調させることで、自律的に走行する無人搬送車(AGV)が運ぶ部品を、AGVを止めることなくピックアップする技術を発表した。