複数の測定器を制御、計測できる統合計測ソフトウェアプラットフォーム:FAニュース
横河計測は、複数の異なる測定器の制御や計測、データ収集、レポート作成ができる統合計測ソフトウェアプラットフォーム「IS8000」シリーズを発売した。測定器ごとに用意されていたソフトウェアを統合し、測定業務をトータルで支援する。
横河計測は2021年2月9日、複数の異なる測定器の制御や計測、データ収集、レポート作成に対応する、統合計測ソフトウェアプラットフォーム「IS8000」シリーズを発売した。
IS8000シリーズは、これまで測定器ごとに用意していたソフトウェアを統合し、測定器の接続からレポート作成までの測定業務をトータルで支援する。同社の測定器の操作やデータ収集に加え、他社製の高速度カメラやRAMモニターなどにも接続でき、複数の機器による同期統合計測が可能になる。
同社は今回、IS8000シリーズと共にスコープコーダ「DL950」を発売する。このDL950が持つ10Gビットイーサネット高速ストリーミング機能とIS8000シリーズを組み合わせることで、データを最高10Mサンプリング/秒の速度で記録し、PCでのデータ収集、表示、記録を可能にする。
また、大画面モニターを使って、離れた場所から計測中のデータを確認したり、保存済みの測定データと比較できる。これにより、長時間の測定や同じ測定を繰り返す発電設備のフィールドテスト、自動車の性能評価などが円滑に進められる。同一の時間軸上に、別々に記録した測定データを並べて比較することも可能で、波形で部分的に拡大表示させたい場所を4つまで指定できる。
他にも、DL950と同社のパワーアナライザー「WT5000」を使って、波形データと電力値を高精度に時刻同期させたり、スコープコーダと高速度カメラを連携させて電気信号波形と映像を同期できる。このように、異なる機器から得たデータの相関を維持し、1つのソフトウェアで統合的にデータを扱うことで、1台の測定器だけでは観測できない複雑な現象を解析できる。
さまざまな測定器に対し、測定からデータ収集、解析、レポート出力までの測定業務全体を1つのソフトウェア上で実施できるため、テスト時間を大幅に短縮する。データ解析では、波形の拡大や演算が可能で、異なる機器で測定した波形データを同じ時間軸上に表示する。これらの測定データは、簡単なマウス操作でレポートに貼り付けることができる。
同シリーズのライセンス利用については、買い切りモデルと1年のサブスクリプションモデルの2種の方法がある。1ライセンスでPC2台まで同時に利用でき、インターネット経由でPCのライセンス登録を変更できるため、PCを変更する場合も継続して使用できる。
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