テレワークの総合満足度は51.2%、「働く時間」には7割が満足:キャリアニュース
リクルートキャリアが「新型コロナウイルス禍における働く個人・企業の意識調査」の結果を発表した。テレワークの総合満足度は51.2%で、「働く時間」に70.3%が満足していた。一方、勤務環境の整備に関わる項目には不満を感じる人が多かった。
リクルートキャリアは2021年2月17日、「新型コロナウイルス禍における働く個人・企業の意識調査」の結果を発表した。
同調査には個人向けと人事向け調査があり、個人向け調査は、企業に勤める正社員で2020年1月以降にテレワークを開始した人を対象とし、そのうち2020年9月26日〜28日時点でテレワークを実施している2213人の回答を集計した。人事向け調査は企業の正社員で人事職に就いている人を対象とした。なお、同調査の実施時期は2020年9月で、2度目の緊急事態宣言が発出されているリリース発表時(2021年2月)とは、宣言の内容や適用範囲、人々を取り巻く状況が異なる場合がある。
まず、個人向け調査として、新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークを経験した人に、テレワークでの働き方の満足度を尋ねた。その結果、「大変満足」と「満足」を合計した「総合的な満足度」が51.2%となった。
満足度が高かった項目を見ると、「働く時間(始業、終業時間や休憩など総合的に)」(70.3%)が最も高かった。次いで「有給休暇の取得しやすさ」(61.2%)、「働く場所(家やサテライトオフィスの中の環境)」(57.4%)だった。
「大変不満足」と「不満足」を合わせた「不満足」の割合が高かった項目は、「勤務環境を整えるための会社からの補助」(47.0%)、「働くためのツール(デスクやチェアなど)」(38.0%)、「テレワーク環境(社内システムやネットワーク環境)」(25.6%)など、勤務環境の整備に関わるものが目立った。
この質問では、働く場所や時間の柔軟性というテレワークの典型的なメリットに加え、「有給休暇の取得しやすさ」に対して満足と感じている人が多かったことから、この項目について年代別に比較した。その結果、特に「20代」で満足度が高くなっており、満足の割合が全体平均の61.2%より6.0pt高い67.2%となった。
満足度とストレス、ともに高いのは「子どものいる夫婦」
次に、こちらも個人向け調査として、テレワークでの働き方の満足度とストレス状況を20〜40代の世帯形態別に比較した。すると、どの年代でも「夫婦(子どもなし)」「夫婦(子どもあり)」「ひとり暮らし」の順にテレワークの満足度が高かった。「不満足」の割合は、全ての年代、世帯で20%以下だった。
続いて、世帯形態別の「ストレス実感の違い」を調べた。ここでのストレス実感とは、テレワーク前にはなかったストレスを感じたかを尋ねたものだ。年代によって差異はあるものの、「夫婦(子どもあり)」の世帯がストレス実感の割合が最も高く、「ひとり暮らし」、「夫婦(子どもなし)」と続く傾向が見られた。
「夫婦(子どもあり)」の世帯を見ると、テレワークでの働き方に満足を感じている一方で、ストレスも感じている。「ひとり暮らし」の世帯は年代を問わずテレワークでの満足度が比較的低く、ストレスは「夫婦(子どもあり)」世帯に次いで高くなっている。
人事向け調査では、担当者に「新型コロナウイルス禍の影響で、テレワークに関して新しい人事制度を策定したか」と尋ねたところ、52.1%が「はい」と回答した。
「はい(策定した)」と回答した人に新しい人事制度の内容を尋ねた。その結果、「在宅勤務手当などの支給」(48.0%)、「フレックスタイム制の導入」(38.4%)、「居住地に関する規定の緩和」(32.7%)の順に高かった。全体からすると、約20%の企業が在宅勤務手当などを支給していることが分かった。
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