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コロナ禍で増減する需給にどう対応するか、コニカミノルタのサプライチェーン変革サプライチェーンの革新(前編)(2/2 ページ)

MONOistは2020年12月16〜17日、オンラインでセミナー「サプライチェーンの革新〜Withコロナ時代に必要不可欠なサプライチェーンのデジタル化〜」を開催した。本稿では、前編で、コニカミノルタ SCM部 部長の神田烈氏が登壇した基調講演「サプライチェーンをDX〜コニカミノルタが実践するデジタル変革〜」を含むDay1の内容をダイジェストで紹介する。

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 ここからは基調講演に加えて行われたセールスフォース・ドットコムとNTTデータ グローバルソリューションズによる2本のセッションの内容を紹介する。

「人をつなぐ」役割をシステムで実現するセールスフォース・ドットコム

 セールスフォース・ドットコムは「ニューノーマル時代の『人を活かす』サプライチェーンエンゲージメントとは」をテーマとし、不確実性が増す中で安定したサプライチェーンを実現するために必要なコミュニケーションの在り方について説明した。

 COVID-19をはじめ、不確実性が高まる中で製造業が生き残るためには、サプライチェーンに関するさまざまな問題も含め、コミュニケーションの生産性を高めることが重要になる。その中で、セールスフォース・ドットコムでは「企業は人なり」を基本とし「人を活かす」仕組み作りに積極的に取り組んでいる。

 セールスフォース・ドットコム インダストリー・バリュー・セリング事業本部 製造ソリューションスペシャリストの白水大三郎氏は「不確実性が当然のようにあるという状態がこれからのニューノーマルの時代では求められる。ただ重要なのは、予測不可能な不確実性そのものではなく、それが発生した場合にどれだけ柔軟に迅速に対応できるかということだ。そのための仕組みを用意しておくことが求められている」と語っている。

 この中でセールスフォース・ドットコムでは柔軟性をもたらす仕組みとしてコミュニケーションを重視し、CRMをベースとしたさまざまなソリューションを訴求する。同社のソリューションでは、業務プロセスやデータはもちろん、そこでやりとりされたコミュニケーションも全て記録する。それがナレッジとして活用できるデータとなり、企業のダイナミック・ケイパビリティ強化に役立つと紹介した。

 「不確実性の時代には企業能力の1つであるダイナミック・ケイパビリティが重要になる。製造業の競争力の構成要素には『製品力』『営業力』『供給力』があり、これらを支えているのが人材だ。コロナ禍でDXへの対応が前倒しの必要性が叫ばれる中、ステークホルダー間のコミュニケーションを業務と組み合わせてつないでいくことが求められる」と白水氏は同社の役割について紹介した。

SCMのレジリエンスを訴えるNTTデータ グローバルソリューションズ

 NTTデータ グローバルソリューションズは「ニューノーマル時代の次世代グローバルサプライチェーンマネジメントとは」をテーマとし、グローバルの各拠点が柔軟で迅速に対応できるサプライチェーンの実現方法を紹介した。

 NTTデータグローバルソリューションズ ビジネストランスフォーメーション室 SCMチームリーダーの杉山成正氏は「COVID-19も含め、次世代SCMには『レジリエンス(復元力)』が求められている」と強調する。レジリエンスは混乱したサプライチェーンを安定した需給状態に戻し、収益を確保する力である。問題発生直後の短期的な対応、中期的な対応策の実行、長期的な視点でのサプライチェーン強化策の組み合わせで実行される。

 レジリエンスを実現する次世代SCMシステムには、調達、生産、在庫、物流情報の共有と活用という実行系機能と、シミュレーション機能や対応策提示機能などの計画機能が必要となる。ただ、これらの新たな機能を実現するには、基幹システムも含めた大きなシステム改変が必要になる。そこで重要になるのがタイミングである。

 くしくも現在、基幹系システムの更新時期が訪れている。「このチャンスを生かすべきだ。単純なシステム更新だけにとどまるのではなく、レジリエンスを実現できるSCMとはどういう姿なのかを検討すべきだ」と杉山氏は訴える。同社ではこれらの検討を進めやすくするために「SCMオポチュニティー・ディスカバリー」サービスを提供。「実業業務の中で投資価値のある領域を抽出し、ポイントを絞った投資を行えるように支援する」(杉山氏)としている。

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