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アシックスが労働状況可視化ソリューションを開発、作業員の位置情報などを取得:製造ITニュース
アシックスは、工場内での作業員の位置情報などを記録、分析することで、労働状況を可視化できるソリューションを開発した。得られたデータは、業務改善のための課題抽出や、改善策の効果検証などに活用できる。
アシックスは2021年1月28日、工場内での作業員の位置情報などを記録、分析することで労働状況を可視化できるソリューションを開発したと発表した。
同ソリューションは、同社が開発中のスポーツデータ統合システム「TUNEGRID(チューングリッド)」のコア技術「TUNEGRID-Cube」を活用。TUNEGRID-Cubeは重さ約5グラムの小型BLEセンサーで、時間に応じた歩数の記録や検知器と連動することで着用者の位置を把握できる。
同社は神戸デジタル・ラボと共同で、ソリューション実用化のための実証実験を2020年10月に実施。山陰アシックス工業の工場内に検知器を配置し、複数の作業員に、TUNEGRID-Cubeを装着したワーキングシューズを履いて、数週間通常通りの業務に就いてもらった。
その結果、移動履歴や施設への入退室時刻、滞在時間といった、作業員の業務中の行動を可視化できた。同ソリューションで得られたデータは、業務改善のための課題抽出や、改善策の効果検証などに活用できる。
アシックスは同ソリューションの実用化に向け、神戸デジタル・ラボおよび日本ロジテムと協力し、2021年1月中旬から日本ロジテムの物流倉庫で、性能向上や市場ニーズを把握するための実証実験を開始している。作業分析を通じて、物流倉庫での業務改善を支援するサービスの構築を目指す。
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