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安全で安心なデータ流通の仕組みを、AI時代のデータ利用基盤を提供開始製造ITニュース

AIデータ活用コンソーシアムは2020年2月10日、AIに対応したデータ取引サービス「AIDC Data Cloud」を構築し、同日からプレビュー版を開始すると発表した。同年3月1日からは本サービス開始する。

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 AIデータ活用コンソーシアム(AIDC)は2020年2月10日、AI(人工知能)に対応したデータ取引サービス「AIDC Data Cloud」を構築し、同日からプレビュー版を開始すると発表した。同年3月1日からは本サービス開始する。

データを活用できる環境を整備

 従来のデータ活用はマーケット分析など消費型(1回で完結する利用)であり、データを頻繁に流通させる必要がなかった。しかし、ディープラーニングや機械学習、統計的学習、統計解析などAI関連の技術が普及するに従って、データが学習済みモデルなどに形を変え、製品やインターネットサービスに組み込まれて利用される機会が増えてきている。しかし、データの所有者と、製品やサービスを提供する利用者は、必ずしも同一でなく、両者間での円滑なデータ流通を行うには、倫理、知的財産、製造物責任、商流に基づく利益配分など、さまざまな複雑な課題を解決させる必要がある。

 2019年3月に設立されたAIDCは、こうしたデータの収集や契約などの検討、データ流通促進のため基盤構築などの目的で活動を行う団体である。東京大学や京都大学などの大学の他、日本マイクロソフトや理化学研究所などの企業が参加している。また連携パートナーとしては各省庁や団体などが参加している。活動は「知的財産・契約」「AI研究」「データ収集・活用」「データ基盤」の4つのワーキンググループで行っている。

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4つのワーキンググループで活動を推進(クリックで拡大)出典:AIDC

 今回AIDCが提供するデータ取引サービス「AIDC Data Cloud」は、主に4つのワーキンググループでの検討結果に基づき、さまざまなデータの提供および利用条件に対応し、データ提供者と利用者が安心して利用できるように設計されたデータ取引サービスである。

 具体的には、データ提供者が望む条件でデータを登録してカタログとして一覧化し、利用者はそれを選択して、利用契約の締結を行う仕組みを提供する。さまざまな商流と知的財産保護および倫理、製造物責任、保証、来歴に考慮した契約モデルを用意し、さまざまな種類やサイズのデータに対応する。また、ファイルのアップロード、ダウンロードだけでなくWebAPIにも対応し、容易に継続的なデータの提供や取得が可能である。また、オープンデータからワンタイム、レベニューシェアなどさまざまなデータ取引形態に対応している。AIDCではこれらの基盤を通じた取引の中で手数料として2〜3%を課金する想定だという。

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AI利用を想定したデータ取引で求められるもの(クリックで拡大)出典:AIDC

 AIDC 理事・副会長で、日本マイクロソフト 業務執行役員 NTOの田丸健三郎氏は「さまざまな商流に対応した契約テンプレートを用意する他、課金モデルなども多彩で柔軟な対応が行えるようにした。来歴情報に応じたデータカタログとすることでデータの安心で安全で便利な流通を進める」と語っている。

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「AIDC Data Cloud」の技術要素(クリックで拡大)出典:AIDC

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