AIを活用した画像解析ソフトウェアの機能を強化:医療機器ニュース
シーメンスヘルスケアは、画像解析ソフトウェア「AI-Rad Companion」に医療機器認証済みの3つの新シリーズを追加した。臓器画像の細分化や自動計測が可能で、診断に活用できる。また、胸部CT画像AI解析受託技術サービスに肺密度計測を追加した。
シーメンスヘルスケアは2021年1月28日、AI(人工知能)技術を用いて開発した画像解析ソフトウェア「AI-Rad Companion(エーアイ・ラド・コンパニオン)」に、医療機器認証済みの新シリーズを追加した。「AI-Rad Companion Brain MR」「AI-Rad Companion Prostate for Biopsy」「AI-Rad Companion Organs RT」の3種となる。
AI-Rad Companion Brain MRは、頭部MR画像から脳の各部位を自動的に細分化し、部位別に正常データベースと比較することで、異常リスクを画像と定量レポートで提示する。アルツハイマー型認知症やパーキンソン病などのリスク評価への使用を想定している。
AI-Rad Companion Prostate for Biopsyは、MR画像から前立腺の体積を自動で計測し、得られた計測画像に放射線科医が病変部をマークして超音波画像診断装置に送信することで、超音波による生検時の補助ツールとして使用できる。
AI-Rad Companion Organs RTは、解剖学的データセットに対応しており、CTで撮影された各臓器の輪郭を自動的に描画する。作成した輪郭データは放射線治療計画に活用できる。
他にシーメンスは、販売中の「胸部CT画像AI解析受託サービス」に「Pulmonary Density(肺密度計測)」機能を追加した。同機能では、胸部CT画像から肺と各肺葉を自動で細分化し、肺領域、各肺、各肺葉において肺密度を計測。肺密度の高い部位の体積や、各部位における割合と平均CT値を自動計測する。
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