産業プラント監視制御システム用I/O装置を刷新し、盤の設置面数を33%削減:FAニュース
富士電機は、産業プラント向け監視制御システム用I/O装置を刷新した。盤一面に搭載できるI/Oモジュールを従来の32台から50台に増やすことで、盤の設置面数を33%削減している。
富士電機は2021年1月5日、産業プラント向け監視制御システム用I/O装置を刷新したと発表した。鉄鋼、化学、セメント、ごみ処理などの産業プラントで高まる、プラントの安定、安全操業や省エネへのニーズに応える。
監視制御システムはI/O装置のほか、計測、駆動機器などのフィールド機器、コントローラーなどで構成され、設備の稼働監視や制御、エネルギーの利用状況の管理などを担う。その中でI/O装置は、生産現場にあるフィールド機器と、現場から離れた場所に設置されることが多いコントローラーを中継する。
I/O装置は、データの入出力信号を処理するI/Oモジュールと、盤外のケーブルとI/Oモジュールを接続する端子台(MTA)で構成される。同社は今回の刷新で、一構成に実装可能なI/Oモジュールの数を8台から10台に増加。また、I/OモジュールとMTAをコネクターで直接接続して配線を減らし、盤一面当たりの構成数を4から5に増やした。盤一面に搭載できるI/Oモジュールが、8台4構成の32台から、10台5構成の50台となることで、例えば3面必要だった盤が2面で済むなど、盤の設置面数を33%削減する。
さらに、機器やネットワークなどを二系統にし、系統ごとにI/Oモジュールを電源に接続する二重化の手法を用いることで、メンテナンスが必要な系統の電源をオフにして、もう1つの系統は稼働を継続するなど、メンテナンス時の安全性を向上し、システムの信頼性を高めている。
近年、産業プラントでは、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)による設備の劣化診断や故障予知の導入が加速しており、現場の情報を収集するフィールド機器とI/O装置の設置数が増加している。そのため、I/O装置を格納する盤の設置スペース削減が課題となっていた。
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