大きな製品を小さな型締力で成形するハイブリッド式超大型射出成形機:FAニュース
日精樹脂工業は、ハイブリッド式の超大型射出成形機「FWX2050III-1100L」の受注を2021年1月から開始する。型締力2万4500kNクラスの成形機と同等サイズの金型を搭載できる。
日精樹脂工業は2020年12月18日、ハイブリッド式の超大型射出成形機「FWX2050III-1100L」を開発し、2021年1月から受注を開始すると発表した。型締力2万4500kN(2500トン)クラスの成形機と同等サイズの金型を搭載できる。
FWX2050III-1100Lは、エクストラワイドプラテンを搭載した型締力1万2800kN(1300トン)の射出成形機。推奨オプションの低圧成形システム「N-SAPLI」の活用によって本来の型締力以上の大きな製品を成形でき、金型寸法基準で成形機を選定する。
高速型開閉(早送りシリンダ)と高圧型締(高圧型締シリンダ)の構造を切り離した複合機構を採用し、機構をコンパクト化した。また、可動盤のたわみが小さく、成形品のバリの軽減や機構の平行度を長期にわたって維持できる。
タイバー間隔は、型締力2万4500kNクラスの成形機の金型を搭載できるワイドプラテン(2050×1800mm)設計を採用。タイバー間隔が大きい固定盤ながら、小さい金型を搭載しても固定盤のたわみを極小化できるよう最適化している。
2容量切換型ポンプと電動サーボモーターを組み合わせた「Xポンプ」を搭載。必要な時に必要な回転速度でサーボモーターが作動し、作動油の吐出流量、圧力をコントロールする。
作動油量は、2050リットル。型締部安全カバーに取り外さずに機構内部の状況を確認できる開閉式を採用している。コントローラー「TACT IV」は、画面の大型化や操作パネルの新設計、便利で使いやすい高付加価値ソフトを搭載している。
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