誤検出を低減する良品学習方式を活用したAI検査パッケージを提供開始:FAニュース
東芝デジタルソリューションズは、独自の閾値最適化手法によって誤検出を低減する良品学習方式を活用したAI画像検査「Meister Apps AI画像自動検査パッケージ」の提供を開始した。
東芝デジタルソリューションズは2020年11月5日、独自の良品学習方式を活用したAI(人工知能)画像検査「Meister Apps AI画像自動検査パッケージ」の提供を開始した。サブスクリプション型の年間ライセンスのみでの提供となる。
同社の良品学習方式は、誤検出を低減する独自の閾値最適化手法を採用。AIが学習用画像から誤検出しやすい領域を検出し、その領域で誤検出の発生を抑えるために繰り返し学習して、良品モデルの閾値を最適化する。これにより、不良品の見逃しを防ぎながら、誤検出の発生も抑えることができる。
同パッケージは、学習ツール、良否判定エンジン、検査対象画像の位置補正などを行う画像前処理、カメラI/F、判定結果表示画面などの機能を備える。学習ツールでは、画面上で学習用画像を入力し、パラメーター設定するだけで良品モデルの作成や精度検証ができる。
良否判定エンジンは、学習ツールで作成した良品モデルと製造ラインで撮影した検査対象画像を比較し、不良品判定を実施する。判定結果の表示画面には、検査対象画像、判定後のマーキング付き画像、不良品かどうかの判定結果を表示する。リアルタイムまたは期間、製品IDによる過去の検査結果も表示できる。
なお、専用の装置は不要で、市販の産業用カメラや照明を使用するため、既存ラインの狭いスペースにも設置できる。既にある検査装置などで撮影した画像を取り込み、検査することも可能だ。
溶接工程に適用した事例では、目視検査の自動化と作業員への不良箇所の通知により、検査品質を維持しつつ、検査工程を効率化した。この他にも、さまざまな製品の検査工程に導入できるとしている。
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