iPhoneのカメラで60fpsの高速バーコード読み取りを実現、人物追跡技術も開発中:IoT&5Gソリューション展
アスタリスクは、「第6回 IoT&5Gソリューション展 秋」において、iOS端末向けソフトウェアバーコードリーダー「AsReader CAMERA-Type」を展示した。30fps以上の高速読み取りが可能で、POSレジや倉庫の棚卸だけでなく、工場での生産管理や設備点検などにも活用できるという。
アスタリスクは、「第6回 IoT&5Gソリューション展 秋」(2020年10月28〜30日、幕張メッセ)において、iOS端末向けソフトウェアバーコードリーダー「AsReader CAMERA-Type」を展示した。30fps以上の高速読み取りが可能で、POSレジや倉庫の棚卸だけでなく、工場での生産管理や設備点検などにも活用できるという。
AsReader CAMERA-Typeは、「iPhone」や「iPad」、「iPod touch」といったiOS端末をバーコードリーダーとして活用できるようにするソフトウェアバーコードリーダーだ。iOSの動画撮影機能を利用してバーコードの読み取りを行うことにより、30fps以上の高速読み取りを実現している。
読み取り可能なバーコードは1次元だけでなくQRコードなどの2次元にも対応しており、PSOレジで用いられるJANコードにとどまらないさまざまな業務用バーコードも読み取れるようになっている。「読み取り対象のバーコードを絞り込むなどすれば、60fpsで読み取ることもできる」(アスタリスクの説明員)。また、AsReader CAMERA-Typeは端末に装着するレーザーポインターも用意しており、これを使えばiOS端末の画面を見ることなく作業を進められるという。
「洋服の青山」などを展開する青山商事が採用しており、従来は数の限られたハンディターミナルで行っていた在庫確認や棚卸などのさまざまな店舗業務を、店舗スタッフ全員が持つiOS端末で行えることで効率を大幅に向上できたという。
アスタリスクは、スマートフォンを活用したバーコードリーダーだけでなくRFIDリーダーライターも展開しており、トヨタ自動車の販売物流で採用されている。これらバーコードリーダーとRFIDリーダーライターに加えた、第3の柱として開発を進めているのが画像認識技術だ。
展示では、スーパーなどで採用が広がっている人手による商品のバーコード読み取りと、セルフレジによる精算を分割した店舗をイメージした「人物追跡技術」を披露した。商品のバーコード読み取りを行った顧客を購入客と認識してフラグを立て、その顧客のセルフレジでの精算を追跡し、精算が終わっていない場合にはアラームなどで警告するというものだ。
「『Amazon Go』などに代表されるスマートリテール技術では、入店時に個人特定を行ってその行動を追跡することが多いが、プライバシーの観点では問題があるという意見がある。当社の人物追跡技術はプライバシーに踏み込まないためのものだ」(同説明員)という。今後2021年内を目標に開発を進めていく方針である。
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