新型コロナで大きな影響を受けたロボットバトル、リモートでやれんのか!:俺的ROBO-ONEオンラインバトル解説(3/3 ページ)
新型コロナウイルス感染症により大きな影響を受けたロボット競技会。「ROBO-ONE」もオンライン開催となり、ロボット同士が直接戦うという競技内容ではなくなった。そこで、ROBO-ONE Lightの公認機をリモート操縦で戦い合わせるためのシステムを独自に構築してみた。俺的ROBO-ONEオンラインバトル、リモートでどれだけやれんのか!
こ、これは楽しいかもしれない
バトルを試す前に、まずは操縦感覚を確認してみたい。テストのため、操縦用のノートPCをスマートフォンのテザリングでインターネットに接続。目の前のロボット実機をインターネット経由で動かし、どのくらいの遅延があるのかを調べた。
試したところ、ボタンを押してからのロボットの反応は、ほとんど違和感がない。送信データはたった2バイトなので、モバイル回線であっても、遅れは極めて小さいようだ。ただ、映像の遅れは0.4秒程度とやや気になる。ノートPCを無線LANに戻してみても、この遅れはあまり変わらないので、このくらいが限界かもしれない。
ではこの遅れがバトルにはどう影響するのか、実際に対戦形式で試してみた。ロボットサッカーチーム「RFCバンブーブリッジ」のチームメイトである石井さんと梓さんに協力を依頼し、筆者の自宅まで接続してもらった。なお公平を期すため、筆者のプレイ時には別室に行き、モバイル回線で外部から接続して操縦している。
取りあえず3人でリーグ戦をやってみたのだが、全員「これはアリだな」という感想。バトルにおいてコンマ数秒もの遅れは大きく、結果を左右してしまうほどではあるものの、遠隔でもロボットバトルのエッセンスは十分楽しめる。操縦自体の遅れは小さいので、勝つためには先読みのスキルが重要になるかもしれない。
今回は3人だけで試してみたが、参加者を増やして、大会にすることも可能だろう。KHR-3HVだけの大会であれば、参加者からモーションデータを送ってもらえば、オリジナルの技を使うこともできる。ただ、主催者側の負担はかなり大きくなりそう。バッテリーがたくさん必要になるし、充電や交換まで全部やるのは結構大変だ。
しかしこの方式であれば、自分でロボットを持っていない人でも参加が可能になる。まるでオンラインゲームのようにロボットバトルができるとなれば、ハードルが下がり、新たなユーザーの獲得につながる可能性もある。ちょっと試して面白ければ、自分のロボットがほしくなり、購入することもあるだろう。
ただ、最大の課題は、前述のように、やはり映像の遅れだ。これについては、高速大容量と超低遅延がウリの5G通信にも期待したいところ。5Gで映像の遅れがどのくらい改善するかは分からないが、これが半減するだけでも、リモートのロボットバトルはかなり実用的になるのではないかと思う。機会があれば試してみたい。
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