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あの自律ロボットバトルがリニューアル、物体認識の導入で難易度大幅アップ!第5回ROBO-ONE autoレポート(1/3 ページ)

2足歩行ロボットによる自律バトル競技会「第5回ROBO-ONE auto」が2019年9月28日、神奈川県立青少年センターで開催された。1年ぶりとなる今回のROBO-ONE autoは、物体認識の導入という大きな変更があったがその結果やいかに。大塚実氏によるレポートをお送りする。

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 「第5回ROBO-ONE auto」が2019年9月28日、神奈川県立青少年センター(神奈川県横浜市)で開催された。「ROBO-ONE」は2足歩行ロボットによる競技会で、autoはその自律部門。人間による操縦は認められていないため、ロボットが自ら対戦相手を見つけ、攻撃して倒す必要がある。今回は18台のロボットがエントリーし、優勝を目指した。

第5回ROBO-ONE autoの決勝戦は、白いロボットと黒いロボットの対戦に
第5回ROBO-ONE autoの決勝戦は、白いロボットと黒いロボットの対戦に。この2台には共通点があった(クリックで拡大)

 2017年2月に始まったばかりのROBO-ONE autoも、今回で5回目の開催。同部門はこれまで、あまり大きなルール変更は無く実施されてきたが、今回は初めて、かなり大きな変更があった。そのため、出場者の準備期間が必要と判断され、前回の大会は1回休み、1年ぶりの開催となっている。まずは、どう変わったのかを見ていくことにしよう。

新しく生まれ変わった「ROBO-ONE auto」

 ROBO-ONEのバトル競技には、歴史の古い順に、本戦、Light、autoの3部門がある。auto以外はどちらも操縦競技。Lightは市販ロボットでも出場できる初心者向けの部門として、2010年より始まった。本戦のロボットは重量3kg以下、autoはそれにセンサーやマイコンなどを追加できるように、重量制限は5kg以下まで緩和されている。

 これまでのROBO-ONE autoについては、過去記事で紹介しているので、ここでは繰り返さない。詳しくはそちらを参照してほしい※1、2)

※1)関連記事:ロボットは自律でどこまで戦えるのか――ROBO-ONE auto第2回大会レポート
※2)関連記事:自律ロボットバトルに暗雲!? 過去最大規模の「ROBO-ONE auto」で見えた課題

 ロボットのハードウェアについては、従来とほぼ同じ。今回、大きく変わったのは、ルールブックに追加された「4.2.5 ROBO-ONE autoの自動認識規定」だ。これは、出場ロボットに、物体を認識する機能を義務付けるもの。具体的には以下のように、ロボット、人間、ペットボトルを識別して、それぞれ認識結果をポーズで知らせる必要がある。

  • 起立状態のロボット→ファイティングポーズ
  • 転倒状態のロボット→両腕を上げる
  • 人間→両腕を広げる
  • ペットボトル→反応しない
転倒状態のロボットを認識できるか?
転倒状態のロボットを認識できるか?(クリックで拡大)
こちらは人間の認識に挑戦中だ
こちらは人間の認識に挑戦中だ(クリックで拡大)

 これらの規定には、明確な狙いがある。例えば、ロボットが立っているのか寝ているのか区別させるのは、ダウンした相手に対して攻撃しないようにするためだ。ロボットと人間を区別するのは、試合中、間違ってレフェリーを攻撃することを避けるため。実際の試合をイメージした規定であるといえる。

 過去の大会では、2台のロボットが遠く離れた場所をウロウロしていて、全く出会わないというシーンがあまりにも多過ぎた。少なくとも、この自動認識規定を達成できたロボットであれば、そういう退屈なシーンを減らすことができると期待される。

従来、よく見られたシーン
従来、よく見られたシーン。一度離れてしまうと、ロボット同士がなかなか出会わない……(クリックで拡大)

 従来、ROBO-ONE autoでは、PSD(Position Sensitive Detector)センサーやTOF(Time of Flight)センサーのように、1方向の距離だけを計測する安価なセンサーを複数取り付けたロボットが多かったが、この新規定の実現は、それだけでは難しい。ロボットと似た大きさのペットボトルも区別する必要があることから、サイズ感だけを見てもダメで、画像認識が不可欠かもしれない。

 大会当日の規格審査では、ランダムな順番で、上記の認識に挑戦。それぞれの状態を2回ずつ正解できれば規定クリアとなり、決勝トーナメントに行く権利を得る。1回だけなら偶然当たる可能性もあるだろうが、2回なのでちゃんと認識しなければクリアは難しい。

各状態を2回ずつ正解する必要がある
各状態を2回ずつ正解する必要がある。転倒状態の識別に苦労するロボットが多かった(クリックで拡大)

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