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あの自律ロボットバトルがリニューアル、物体認識の導入で難易度大幅アップ!第5回ROBO-ONE autoレポート(2/3 ページ)

2足歩行ロボットによる自律バトル競技会「第5回ROBO-ONE auto」が2019年9月28日、神奈川県立青少年センターで開催された。1年ぶりとなる今回のROBO-ONE autoは、物体認識の導入という大きな変更があったがその結果やいかに。大塚実氏によるレポートをお送りする。

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決勝戦は「RealSense+機械学習」対決に

「プロト2号」は、頭部にRealSenseを搭載
「プロト2号」は、頭部にRealSenseを搭載。丸みを帯びた可愛らしいデザインのロボットだ(クリックで拡大)

 今大会のエントリーは18台と前回並みだったものの、棄権が多く、当日、競技に臨めたのは、半分以下のわずか8台。それだけ、今回の内容が難しかったということだろう。出場したロボットも、誤認識や無反応が続出し、苦労している様子だった。

 そんな中で、規格審査をあっさり通過したのは「プロト2号」(チーム名:スプライタ)だ。このロボットは、センサーとしてインテルの「RealSense」を採用、ビジョン+深度データによる機械学習を利用していた。制御コンピュータは「Raspberry Pi」だが、性能的にはギリギリとのことで、認識に2〜3秒を要していたという。


「プロト2号」の規格審査。なんとノーミスであっさりとクリアした(クリックで再生)

 ハードウェアも特徴的。ちょっと変わっているのは、秋月電子で買ったという安いサーボを使っていることだ。しかし安価だった反面、トルクは10kgくらいしか無かった。このままだとトルク不足になるため、長穴減速機構を活用して、歩行に必要なトルクを得ている。またフレームは3Dプリンタで製造したそうだ。

この部分が長穴減速機構
この部分が長穴減速機構。トルクを強化している(クリックで拡大)
背中のランドセルにRaspberry Piが入っている
背中のランドセルにRaspberry Piが入っている(クリックで拡大)

 審査時間が残り少なくなり、決勝進出が1台だけになるかと思われた矢先、ギリギリで通過したのが「Dynamics」(香港科技大学)。このロボットも、センサーとしてRealSenseを内蔵、さらに機械学習用にAIチップの「Movidius」も搭載している。盾型のハンドは、背が低いロボットにも当たるよう工夫されたものだ。

「Dynamics」もユニークなデザインのロボットだ
「Dynamics」もユニークなデザインのロボットだ。大きな盾型のハンドを突き出して攻撃する(クリックで拡大)
「Dynamics」の規格審査。時間切れギリギリまで粘って、なんとか通過(クリックで再生)

 結局、規格審査を通過できたのはこの2台だけ。2台のみの決勝トーナメント、つまり、いきなり決勝戦が行われることになった。

 しかし格闘性能は、Dynamicsの方が明らかに上。サーボのパワーがまず違うし、重量も2倍近い差がある。普通であれば、プロト2号にまず勝ち目は無い。予想通り、ダウンを奪われ、プロト2号は不利な状況だったが、ここでレフェリーが試合をストップ。Dynamicsに対し、前後左右に歩けるかどうか確認を求めた。

決勝戦は日本・香港の対決
決勝戦は日本・香港の対決。Dynamicsがパンチを決めて先制するものの……(クリックで拡大)

 ROBO-ONEには、前後左右に歩けないといけない規定がある。しかしDynamicsは、前移動しか組み込めておらず、試合中の修正も時間的に不可能ということで、ここで失格に。この時点で、優勝はプロト2号に決まった。

決勝戦の動画。まさかの展開で、プロト2号が逆転優勝を果たした(クリックで再生)

 その他、規格審査は惜しくも通過できなかったものの、あと一歩だったのは「II-HYB」(OMEGA)。これは前回の優勝機で、近藤科学の小型ロボット「KXR」をベースとしている。Raspberry Pi+カメラによる画像認識を行っており、バトル時には頭部のTOFセンサーも利用する予定だったという。

「II-HYB」は、胸にカメラを内蔵している
「II-HYB」は、胸にカメラを内蔵している。頭部のPSDセンサーは使用しないが、その両脇にTOFセンサーがある(クリックで拡大)
「II-HYB」の規格審査。転倒状態のロボットの認識がうまくいかなかった(クリックで再生)

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