ヒーローロボット対決再び、早とちりで変形〜「リアルロボットバトル 2014」密着取材リポート(前編):『ロボット日本一決定戦!リアルロボットバトル』の舞台裏(1/3 ページ)
日本テレビ系列で2014年12月2日に放送された「ロボット日本一決定戦! リアルロボットバトル」。2mの巨大ロボットが“ガチ”で殴り合うこの企画の舞台裏をお届けする。
日本テレビ系列で2014年12月2日に放送された「ロボット日本一決定戦! リアルロボットバトル」(以下、リアルロボットバトル)をご覧になっただろうか?このリアルロボットバトルは、身長2mクラスの巨大ロボットが本気で殴り合うという、驚きの格闘技大会だ。搭乗型でない点だけがやや残念ではあるものの、これぞ、筆者が待ち望んでいた21世紀の姿である。
リアルロボットバトルは2013年に初めて開催。その結果はこちら(これはまさに夢の企画――巨大ロボが殴り合う「リアルロボットバトル」に密着してきた)にまとめたが、今回も日本テレビの許可を得て、番組の裏側を取材することができた。本リポートでは、参加ロボットの特徴を紹介しつつ、対戦結果も追っていくので、放送を見た人も見逃した人も楽しんでもらえればと思う。
・後編:「強敵」と書いて「とも(友)」と読む、まさに王道の展開〜「リアルロボットバトル 2014」密着取材リポート(後編)
巨大ロボット同士によるガチバトル
今大会の参加ロボットは以下の6台。前回の8台から規模が縮小したのは少し残念であるものの、さすがに2回目ということで全体的にロボットの動きは良くなっており、「少数精鋭」という印象。なお、前回優勝の「はじめ研究所チーム」は、今回は出場していない。
- グレートキングカイザーZ(マルファミリーチーム)
- オプティマスプライム(千葉工業大学・トランスフォーマーチーム)
- 風神(風神プロジェクトチーム)
- GANTON-53(日本大学理工学部精密機械工学科チーム)
- ふなっしーロボ(ふなっしー&岡田リベンジャーズチーム)
- MMSEBattroid Ver.0(人機一体・金岡博士チーム)
試合のルールは簡単。ロボットは体の各所に「コア」と呼ばれるマーカーを貼り付けており、相手のコアをより多く壊したチームの勝ちとなる。時間は3分2ラウンド制。もし10個全てが壊されれば、その時点で試合は終了だ。
しかし、ルールは単純なものの、このコアは胸、肩、頭などバラバラな場所に設置されているので、全てを破壊するのはなかなか難しい。設置場所はロボットによっても異なるため、その違いにどう対応するかもこの競技のポイントの1つだ。腕を自由に動かせるマスタースレーブ方式はその代表例で、今回は3チームが採用していた。
基本的には相手のコアを狙って攻撃することになるが、動けなくなったらTKO負けになるので、相手のボディを攻撃して動作不能にするのも、戦略としてはアリだ。コアの破壊数で差を付けられたとき、一発逆転を狙って本体にダメージを与えるという戦い方も考えられるだろう。
またルール上、認められているのはパンチなどの直接攻撃のみだが、各チームは1ラウンドに1回「ブーストタイム」を申請することができ、その30秒間は、飛び道具や特殊な武器による「必殺技」が利用可能になる。派手な反面、実際にはそれほど大きな戦果はないのだが、バトルにメリハリを付けており、見ていて面白い。
またロボットの身長や重量に制限はあるものの、形態は特に決められていない。2足歩行である必要はなく、実際、ほとんどのチームはメカナムホイールやオムニホイールによる移動機構を採用しており、全方向への移動が可能となっている。2足歩行もいずれは見たいものの、車輪ならではの高速バトルが楽しめるのは良い点だろう。
そして前回の記事でも述べたが、念のため繰り返そう。このバトルは完全に本気(ガチ)である。番組の企画ではあるが、シナリオは一切無い。ガチな上で、いろんなドラマが起きるわけだから、ロボットバトルは面白いのだ。今回も非常にドラマチックな幕切れだったのだが、バトルの結末については後ほど紹介しよう。
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