電池レスで24時間365日測定可能、固体型色素増感太陽電池搭載の環境センサー:組み込み開発ニュース
リコーは、固体型色素増感太陽電池を搭載した「RICOH EH 環境センサーD101」と、同センサーで取得したデータの管理システムを発売した。電池や配線がなくても、環境データを24時間365日測定できる。
リコーは2020年10月8日、固体型色素増感太陽電池を搭載した「RICOH EH 環境センサーD101」と、同センサーで取得したデータの管理システムを発売した。屋内の温度、湿度、照度、気圧といった環境情報を電池や配線不要のセンサーで取得し転送することで、メンテナンスフリーの環境センシングシステムを提供する。
RICOH EH 環境センサーD101は、最大出力11μWの固体型色素増感太陽電池モジュール「RICOH EH DSSC 1719」を搭載している。電池の電解液が固体化しているため、経年劣化による液漏れや腐食の心配がなく、安全性と耐久性が高い。また、有機材料とデバイス構造を室内光源の波長に最適化し、倉庫など暗い場所でも利用可能だ。
大きさは35×46×12mmで、重さは14g。温度、湿度、照度、気圧、内蔵リチウムイオン電池の電圧値を取得できる。測定間隔は300秒で、電池交換することなく24時間365日の測定が可能だ。
センサーからの情報はBluetoothから「RICOH EH 環境センサーD101用中継器」を経由して、PC端末に集約される。中継器の大きさは、123×82×40mmで、1台の中継器で最大15個のセンサーを管理できる。データ管理ソフトウェア「RICOH EH 環境センサーD101_App」を使うことで、PC1台に付き最大6台の中継器、90個分のセンサーデータを処理できる。
食品スーパーや商業施設の温湿度管理、工場や倉庫など作業現場の環境センシングに適している。
関連記事
- リコー発スタートアップに見る、新規事業の育て方とアフターコロナのモノづくり
リコー発のスタートアップであるベクノスは2020年9月16日、第1弾製品としてペン型の全天球カメラ「IQUI(イクイ)」を発表した。本稿では、ベクノスが開発した製品とともに、リコーの新規事業への取り組みとコロナ禍におけるモノづくりの在り方について紹介する。 - 薄型軽量の両眼視タイプスマートグラス、重量49gは世界最軽量
リコーは、薄型で49gと軽量な両眼視タイプのスマートグラスを開発した。1m先に約30インチの画面を表示できる広い視野角を有している。 - ステレオカメラが自動車から航空機に、滑走路センシングで自動着陸に貢献めざす
リコーは「日本ものづくりワールド 2020」(会期:2020年2月26〜28日/場所:幕張メッセ)内の「第2回 航空・宇宙機器開発展」において、1000m先を検知可能な超望遠4Kステレオカメラを出展した。車載用や産業用ロボットからスタートしたステレオカメラの実績を、他の用途にも展開する。2〜3年は無人固定翼機で実績を積み、5年後以降に有人機での実証実験を目指す。 - リコーが厚木で育てた生産工程可視化システム、採用社数は50〜60社に拡大
リコーは、「第4回スマート工場EXPO」において、生産工程可視化システム「オールラインレコグナイザー(ALR)」の展示を行った。 - リコー「THETA」が宇宙へ踏み出す、JAXAとの共同開発で実現
リコーとJAXA(宇宙航空研究開発機構)は2019年8月28日、宇宙空間を360度全方位に同時撮影できる小型全天球カメラを共同開発したと発表した。リコーが製造、販売する全天球カメラ「RICOH THETA(リコー・シータ)」をベースとして開発したもので、宇宙空間で用いる全天球カメラとして世界最小を実現したという。 - リコーが音響通信ベンダーと資本業務提携、通信が困難な空間でも情報提供
リコーは2019年9月30日、エヴィクサー(東京都中央区)と資本業務提携で合意したと発表した。リコーがエヴィクサーに対して、出資比率約7%に相当する1億円を拠出した。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.