リコーが厚木で育てた生産工程可視化システム、採用社数は50〜60社に拡大:スマート工場EXPO2020
リコーは、「第4回スマート工場EXPO」において、生産工程可視化システム「オールラインレコグナイザー(ALR)」の展示を行った。
リコーは、「第4回スマート工場EXPO」(2020年2月12〜14日、東京ビッグサイト)において、生産工程可視化システム「オールラインレコグナイザー(以下、ALR)」の展示を行った。
ALRは、リコーの厚木事業所(神奈川県厚木市)が、チョコ停など生産工程の課題解決のために開発した生産現場を可視化するシステムを商品化したものだ。2016年にはリコージャパンによる社外向けの販売を開始している。当初のモノクロカメラを用いたシステムからカラー化を果たし、モノや人の検知も可能になるなど順次機能を拡充させている。採用実績も50〜60社まで積み上がっているという。
最大の特徴は、1パッケージにつき標準で4台、最大8台までのカメラを接続し、それらの撮影データを同期する形で1日24時間、1カ月間分を丸々録画できる点だ。「生産工程の変化は即座に分かるものから、後で分析して初めて分かるものまでいろいろある。1カ月間のデータがあれば、その変化点を後から確認することができる」(リコーの説明員)。
また、モノや人を検知する機能は、1画面につき検知ウィンドウを10個まで出すことができ、これらの検知結果を基にした通知や、映像マーキング、タクトチャート化も可能だ。検知の設定も容易で、1つ当たり2〜3分程度で行える。「異常を検知したタイムスタンプに合わせて映像データを確認する機能についても、当社で関連特許を押さえている」(同説明員)という。
展示では、通常のIPカメラの他にもサーモグラフィーなども接続可能なことを示すとともに、リコーの360度カメラ「THETA」との連携についての参考展示も行った。
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