ニュース
充填速度を約1.25倍向上、超高速全電動射出成形機シリーズに5機種追加:FAニュース
住友重機械工業は、超高速全電動射出成形機「SEEV-A-SHR」シリーズに、型締力100、130、180、350、450トンの5機種を追加した。追加により、シリーズは全8種類となる。
住友重機械工業は2020年10月5日、超高速全電動射出成形機「SEEV-A-SHR」シリーズに、型締力100、130、180、350、450トンの5機種を追加し、販売を開始した。従来の型締力50、220、280トンに新たな5種類が加わったことで、全8種類のラインアップとなる。
最大射出速度は1000mm/秒で、射出時の最大加速、減速度は10.0G。新たな5機種は、不良、無駄、面倒の3つのベクトルを0へ近づける「Zero-molding」の機能に加え、高応答、高速射出装置と高応答、高負荷型締圧縮装置を搭載し、さらなる薄肉化に対応している。
従来機種と比較して充填速度を約1.25倍向上する低慣性、大容量サーボモーターを採用した射出装置も搭載。射出速度、加速度が向上したことで、樹脂を金型内に均等に流せる。ゲートバリ、偏肉、反りも低減化し、薄肉光学成形品に求められる高い光学品質に寄与する。
型締圧縮機構の性能も向上しており、型締力を成形工程中に複雑に変化させる圧縮成形ができる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「EUROMAP」で広がるオープン化の波、射出成形機の方向性
射出成形機などプラスチックやゴム用加工機などでスマート化に向けて注目されている通信規格が「EUROMAP 77」である。本連載では「EUROMAP」および「EUROMAP 77」「EUROMAP 83」の動向について紹介している。第3回では「EUROMAP」が注目を集める理由となった「オープン化」の意義について考察する。 - 「K 2019」で見た、EUROMAPで「つながる」射出成形機の進化
射出成形機などプラスチックやゴム用加工機などでスマート化に向けて注目されている通信規格が「EUROMAP 77」である。本連載では「EUROMAP」および「EUROMAP 77」「EUROMAP 83」とはどういう規格なのかについて紹介している。第2回では、これらの規格によって射出成形機がつながるメリットについて、国際プラスチック・ゴム産業展である「K Trade Fair 2019」の出展内容から紹介する。 - 射出成形機にAI搭載、ファナックが深層学習技術で予防保全
ファナックとPreferred Networksは「国際プラスチックフェア2017」で、AI技術を搭載し予防保全を実現する射出成形機を披露した。 - スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。 - エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。 - 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。