WHILLの電動車いすに新モデル、2020年11月からは直販もスタート:車両デザイン
WHILLは2020年9月17日、近距離モビリティの新モデル「WHILL Model C2(ウィル モデル シーツー)」を発表した。同年9月21日から予約販売を開始する。購入の場合、本体価格は47万3000円。介護保険を利用したレンタルでは月額2700円となる。
WHILLは2020年9月17日、近距離モビリティの新モデル「WHILL Model C2(ウィル モデル シーツー)」を発表した。同年9月21日から予約販売を開始する。購入の場合、本体価格は47万3000円。介護保険を利用したレンタルでは月額2700円となる。
新モデルでは、既存モデルに対するユーザーの声を反映し、走行性能やユーザビリティを向上させた。新開発のリアサスペンションの採用による乗り心地の向上の他、コントローラー部分の操作性の改善、走行距離の拡大、テールライトの位置変更などを行った。
新しいリアサスペンションは衝撃吸収性を高めており、段差の乗り降りや凸凹のある路面でも快適に走行できる。コントローラーとスイッチは片側に集約し、軽い力で操作できるようにした。コントローラーは左右のどちらにも付け替えることができる。
バッテリーの改良により、走行距離は従来モデルの16kmから18kmに拡大した。テールライトはアーム後端に移動させることにより、本体にリュックサックをかけた状態でもライトが見えやすくなった。さらに、跳ね上げ可能なアームの回転中心を従来モデルよりも後方にすることにより、乗り降り時のアクセスが改善。ベッドや椅子などから真横に移乗する際にスムーズになる。
2020年11月からは直販体制を整え、試乗や運転アドバイス付きの購入サービスを全国から申し込めるようにする。盗難や破損に対する本体補償や、保険サービス「WHILL Smart Care」の内容も拡充させる。
主なユーザーは高齢者を想定している。通常、福祉用具は介護保険の適用を受けた上で介護系の流通事業者を通じて借りるのが一般的だが、歩行に困難を抱える高齢者は1000万人といわれており、介護保険の利用者数よりも多い。WHILLは販路を拡大することにより、介護保険利用者以外でも気軽に利用できるようにする。
高齢者の外出をサポートすることで、買い物や通院などでの自立度の向上、地域やコミュニティなど社会との接点を増やすなど、クオリティオブライフ(QOL)の向上につなげる。
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