この記事は、2020年8月21日発行の「FAメールマガジン」に掲載されたMONOistの編集担当者による編集後記の転載です。
世界はもっと先に進むのに「コロナ前に戻す」で本当にいいの?
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大から既に半年が経過しました。感染の拡大は世界的に収まっていません。しかし、マスクや医療用機器、各種生活必需品の困窮などが発生した混乱期の緊急対応の状態に比べると、予断は許さないものの落ち着きを見せてきたように感じています。こうした中で逆にクローズアップされているのが経済影響の大きさです。2020年8月17日に内閣府が公表した2020年4〜6月期の実質国内総生産(GDP)は年率換算で27.8%の減少となり、経済面で深刻な打撃が生まれていることがあらためて強調されました。
こうした中で製造現場でも「コロナ対応を取りつついかにビジネスを戻していくのか」が大きく注目されるようになっています。2020年7〜8月に発表された製造業の主要各社の決算を見ていると、4〜6月が底で7月以降徐々に回復し、2021年半ばからはほぼコロナ前に近づくという見通しを示した企業が多かったように感じています。実際に工場の稼働状況を見ても、自動車産業をはじめ、7月以降は平常稼働に戻したところが多くあり、製造現場には日常が戻りつつあるといえるでしょう。
しかし、この「コロナ前の状態に戻す」ということだけを考えていて本当によいのでしょうか。
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