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カメラと低解像度LiDARで高精度な深度予測、開発コストは7割削減:センシング
英国のケンブリッジコンサルタンツは、カメラと低解像度のLiDAR(ライダー、Light Detection and Ranging)から物体までの距離を高精度に予測するセンサーフュージョン技術を開発したと発表した。
英国のケンブリッジコンサルタンツは、カメラと低解像度のLiDAR(ライダー、Light Detection and Ranging)から物体までの距離を高精度に予測するセンサーフュージョン技術を開発したと発表した。高解像度なLiDARのデータがなくても深度予測ができる。車両の周囲の3次元点群データを低コストなセンサーでも作成しやすくなることから、自動運転システムのコスト低減につながるとしている。
開発技術は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)や完全畳み込みニューラルネットワーク(FCN、Fully Convolutional Neural Network)、転移学習、深度予測パフォーマンスの最適化などを融合した新しいアーキテクチャだという。
一般的な車載カメラと解像度が低い安価なLiDARのデータを基に、元々のセンサーデータよりも高い解像度で物体までの距離(深度)を予測する。また、推定した深度の確実さについても把握できるため、システムの説明可能性の向上が図れるとしている。
従来のディープラーニング(深層学習)の開発作業においては、センサーデータの収集やラベル付けに長時間を要するが、ケンブリッジコンサルタンツの開発技術は3D CGを活用したバーチャルな学習環境でも高い性能を確保し、開発にかかるコストや時間を従来の手法から70%削減できるという。
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