ニュース
温室効果ガスの使用量を約14%低減した新型ガス絶縁開閉装置:FAニュース
日立産機システムは、メンテナンス性を向上させた「新型72/84kVガス絶縁開閉装置」を2020年7月1日に発売する。シンプルな構造と最適な収納機器レイアウトで、温室効果ガスの使用量を約14%低減した。
日立産機システムは2020年6月17日、メンテナンス性を向上させた「新型72/84kVガス絶縁開閉装置(新型GIS)」を同年7月1日に発売すると発表した。受変電設備の安定運用と温室効果ガス削減により、持続可能な社会に貢献する。
ガス絶縁開閉装置は、大規模な工場など大量の電力を使用する施設に設置する受変電装置。断路器や遮断器などを金属製の密閉容器に収納し、絶縁性能や消弧性能に優れた六フッ化硫黄ガスを充填する。
新型GISは、新たに開発したハイブリッド形遮断器の採用と機器の最適なレイアウトにより、六フッ化硫黄ガスの使用量を従来機比で約14%低減した。ハイブリッド形遮断器は、永久磁石と電磁石を組み合わせたシンプルな構造で、電動ばねを用いた操作機構に比べて部品点数を約85%削減している。また、全ての摺動部を固体潤滑を採用したグリスレス機構にすることで、定期的な注油が不要になった。
ガス絶縁開閉装置は、不具合が生じると施設の設備に電気が供給されず、甚大な影響を及ぼす。新型GISは故障発生率を低減し、電力を安定供給するとともに、温室効果ガス削減により持続可能な社会に貢献する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- オムロン逆転の発想、「カイゼン」と「省エネ」は同じことだった
生産のQCD(品質、コスト、納期)を見直すカイゼン活動は、現場力の見せ所だ。一方、省エネはこれまで現場から離れた工場の管理部門の役割だとされてきた。QCDと省エネを同じ目線で捉えると何ができるのだろうか。オムロンの事例を小寺信良が紹介する。 - エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。 - 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。 - 自律するスマート工場実現に向け、IoTプラットフォーム連携が加速へ
製造業のIoT活用はスマート工場実現に向けた取り組みが活発化している。多くの企業が「見える化」には取り組むが、その先に進むために必要なIoT基盤などではさまざまなサービスが乱立しており、迷うケースも多い。ただ、これらのプラットフォームは今後、連携が進む見込みだ。 - 見えてきたスマート工場化の正解例、少しだけ(そもそも編)
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについて、話題になったトピックなどに応じて解説します。第28回となる今回は、スマート工場化において見えてきた正解例について前提となる話を少しだけまとめてみます。 - スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。